セピィの物語2□ 2003/06/12(Thu) 23:57:38 訓練場。この薄ぐらい建物の中で、 今日も多くの人が、意識的に無意識な残酷さで 体中汗だくになりながら、一心不乱にその拳を、その武器を 振りまわしている。 これだけの人がいままさに、この世界に存在しているんだ。 匂いまで伝わってきそうな、ひしめきあうこの部屋で。 「僕らはいったい何を夢見ている?」 小さな攻撃のくり返しが、やがて大きな一撃になるんだ。 なんでもないことの積み重ねが、 大事な時間だったと思えるようになっていくんだろう。 私でない私が、多くの人に守られながら滑稽な姿で 取りつかれたように斬る 斬る 斬る 斬る 斬る 斬る 斬る! 遠目に見てもこれは少し不気味な光景かもしれない。 その力は、なんのため? 自分の攻撃に酔いしれる?大事な人を守る?単なる好奇心?暇つぶし? いつのまにか、私の意識はなくなり、 世界との接続が遮断されていた。 残った記憶に、友人からの1:1のあとがあった。 少し嬉しくて少し悲しかった。 私は何がしたいのか、わかったような気がした。 |