セピィの物語1□ 2003/04/09(Wed) 12:31:18 暖かい陽射しが女神エルの優しい眼差しのように このエランシアの世界を照らしている。 春。 桜が咲いて 風。 そして散ってゆく。 数々の人物がその地に数多の伝説を残し そして去っていった。変わり目の季節。 δ次元の鍛錬者達もこの時間帯はすっかり少なくなった。 ハープの音色を奏でると、 響きは無機質に街中を巡っていく。 誰かの耳に止まり、誰かの足を止める。 ようやくハープの評価が36点になった私だが 一向にコツが掴めなくていらいらしていた。 どうやら昔、無意識に学んだ事柄をしっかりと知識として 理解していなかったからだ。 『職アビの無駄使い』などと難しいことを言われるが しかたのないことだ。 風の音色を聞いて風の行方を確かめる。 空を指でなぞり、瞳を閉じてリングに念じると 空気中の酸素と水素が結合し、あたりに火花が散った。 「ふぅ。。。もう少しでコツが掴めそうだわ。」 インテリジェンス評価が15になれば グレンさんに瞑想の極意を教えてもらう約束。 以前よりも少し賢くなった私を想像して 私はまた風の魔法を鍛錬するのだった。 |