ここは、(旧)せんのう寺めぐみ幼児園のホームページです。

平成21年3月14日()《第41回卒園式》が行われました。最後の卒園児6名(第930〜935番目の卒園児)を送り出した後、在園児さんらも加わり「終了式」を行いました。
■無認可の幼児園ですので、公的補助の受けられないまま更に最後の10年ほどは児童数の激減による完全なる「赤字経営」にもかかわらずこれまで運営を続けることが出来たのも、ひとえに専能寺門信徒の皆さまのお布施収入の恩恵に甘えての事でした。

■昭和42年より続いてきた「子どもの声の聞えるお寺」としての現状を維持するため、専能寺門信徒の皆さまには心よりご理解をいただき、また並々ならぬご協力をたまわりましたことに対し深く御礼申し上げます。

■振り返りますと、農繁期における専能寺門信徒の大事なお子様を預かる「季節託児所」という始まりから「常時安心して子どもの集える場所」をという親御さん方の熱意により開園時には建築廃材を利用した園舎が建立され、昭和53年には現在の新園舎へと立替られ最大100名を超す児童の集う賑やかな園となりましたが、昨今全国的に問題視されている少子化の影響も大きく、農村部の自営の園としては収支のバランスが著しく崩れ事実上経営は破綻状態となり、直接子どもたちの指導に当たる教諭の給料を捻出することも出来ないことから、自業主である専能寺にて「廃園」を決めたのが平成11年の事でした。

■しかし、当時の在園児の親御さんから「やめないで欲しい」と熱烈なる声が寄せられ、保護者自らが園児募集のチラシのポスティングを行うなど園児を増やす努力をするから存続して欲しいとの嘆願を受け、どこまで続けられるのか見通しのたたないまま熱意に押される形で赤字経費分を専能寺の布施収入から補填する形でこれまでつないできました。

■園長としては、「専能寺めぐみ幼児園に入園させたい」そんな親御さんが一人でもいる間中園を続ける心ではありましたが、保護者の皆さまのご協力もむなしく実際には年々児童数は減少し続け、次年度以降に園児の増える見込みの無いままだましだましの運営を続けてまいりました。

■事業主であり園長である専能寺住職としては、年々赤字額が増える現況に対して門信徒からの「もうやめてもいいのではないか?」という問いかけや、園の創設者である前坊守の「園以外の子ども会活動に経費を回したほうが得策」等の声に対して、自分自身に対しての言い訳でもあったのですが、土曜スクールや仏壮・婦人会等の教化団体と一緒で「園の運営は教化活動の一環」という言い訳をしてまいりました。

■しかし実際の経営状況を鑑みるに、土曜スクールや仏壮等の教化活動と違い、事業主であり雇い主であるはずの専能寺住職や坊守が毎日の園の運営に従事・専従することは出来ず、創設者であり事実上の責任者であった前坊守が園の運営から身を引いてからは、雇われ側の教諭に対して園の運営までも一任する形を取ってまいりましたので、児童数の減少にもかかわらず教諭の実質的な負担は極めて大きかったと思います。

■そのような「何時やめてもおかしくない状況の中」この10年続けてこれたことに対して、専能寺門信徒の皆さまに対して心より御礼を申し上げると共に、専能寺めぐみ幼児園に大切なお子様を預けてくださいましたすべての親御さん方に対して篤く御礼を申し上げます。

廃園が決まった後の最後の一年となった平成20年度は、在園児の親御さんたちにはこれまで以上に負担をかけることになるにもかかわらず、「めぐみ幼児園の園児として卒園させたい」との思いを聞かせていただき園としてはとてもありがたかったことです。

■前年度に「廃園」の話し合いをした臨時総会では、次年度の新入園児は取らないと決めていましたが、「一年でもめぐみ幼児園の園児として通わせたい」と申し出てくださる親御さんがあり、年長さん6名+年中年少さん数名が加わり、前年同様のクラス編成で賑やかに過ごすことができました。本当にありがたいことでした。

■6名の卒園児さんは、それぞれの小学校生活へと旅立っていきましたが、のこされた在園児さんは他の幼稚園さんへ転入をすることとなってしまいましたことは園としては申し訳ない思いでいっぱいです。それぞれの園生活で楽しい思出を沢山つくれるよう念願しています。

■そして、これまで専能寺めぐみ幼児園に教諭として携わってくださいました全ての先生方に感謝申し上げます。


■また幼稚園給食さんはじめ関係業者さんへ、「いっぱいご迷惑おかけいたしました」、「いっぱいお世話になりました」本当にお陰さまでした、ありがとうございました。


■事業としての「せんのう寺めぐみ幼児園」は無くなりますが、今後は専能寺住職を中心として門徒総代会、各教化団体の会員の方々のご協力をいただきながら身の丈にあった「少年教化活動」を推進していきます。

■専能寺関係者各位の皆さまには今後とも変わらぬご協力をたまわりますようお願い申し上げます。(合掌)

    平成21年3月      専能寺住職 足利 一之

ありがとうございました!