鈴木有機農園だより

<平成15年2月号>

農家にとって1月、2月が農閑期です。

この時期私は「去年何が良かったのか?」「消費者の要望にどう応えていくか?

と、一年を振り返りながら次年度の予定を立てます。

 専業農家として自立していくためには、消費者のご意見を聞くのが一番です。

 農業は大自然が相手ですので、病気や害虫被害、台風や異常気象で収穫が減少したり皆無のこともあり、

まさに気の抜けない職業です。

でも、収穫の喜びは他の産業には無い楽しさがあり、消費者の方々の「美味しかったよ」の言葉が一番励みになります。

その励みが、もっともっと生命力のある米や野菜を育てるための工夫や生産意欲に繋がっていきます。

 有機肥料を作るのには、どんなものを加えていったらもっと美味しくもっと健康になるのか?

そして、食べた方に感動を与える食材にするには、どんな栽培をすればよいのか?

どんな食べ方をしていただくのが良いのか?貪欲な追求をしています。

 
これまで作ってきた有機肥料は、米ぬか・魚粕・豆腐粕・海藻・サンゴ粉末・糖蜜・活性酸素・微生物菌を加えた発酵肥料です。

温度を加え微生物を繁殖させ、密閉して二ヶ月ほどじっくり寝かせると甘酸っぱい香りの有機肥料が出来上がります。

 この肥料をボカシ肥料ともいいます。

このボカシ肥料は、化成肥料とは違い肥料成分が少なく、とても稲や野菜には物足りないように感じますが、

牛に踏ませた堆肥とボカシ肥料とで植物はバランスよく育ってくれます。

 最近の農業は、植物に必要の無いものや吸えない化学物質を過剰に与え過ぎ、

その結果植物自体の免疫力治癒力を阻害しているのではないかと疑問に感じることがあります。

 ボカシ肥料を施すようになってからは、ボカシ肥料や堆肥の微生物によって土壌中に含まれた有害物質が半減することも判りました。

 昭和30年代まで無かったアトピー皮膚炎・花粉症などは現代病のような気がします。

化学合成物質を含んだ食べ物や添加物で、抵抗力の弱い子どもたちが被害者になっている。

 そんな現代だからこそ、母親がもっともっと「食」や「健康」について勉強し、次代を担う子どもたちを守っていかねばなりません。

そして、私たち農業者は安全で安心できる農産物を生産し、「農業=健康産業」と位置付けしていかねばならないと思います。

 
今、肥料になる材料を探しています。ごま油の絞り粕などは抗酸化剤ですので、良いボカシ肥料になると思っています。

リサイクルできる材料で質の高い手作り肥料を作り、感動を与えられる食べ物を作りたいという思い。

消費者や材料提供者の協力で、感動を与えられる食べ物作りの夢が実現しています。感謝感激です。

 

・・・・・・以上、鈴木英俊さんから頂いた文を、HP用に書き直させていただいたものです。

※2月12日更正はいりました。推肥→堆肥:坑酸化剤→抗酸化剤