1998年しし群の極大期における精密な輻射点分布と平均軌道
98年しし群写真観測網の観測結果がでました。これによると、1998年11月17/18日に撮影された43流星の軌道が計算され、精度の高い25流星の輻射点と18流星の軌道要素を解析した結果、輻射点は、太陽黄経235゜での値に換算すると、赤経153.31゜〜153.69゜、赤緯+21.63゜〜+22.15゜の比較的南北に長い範囲に分布し、明るい流星ほど輻射点が北上する傾向が認められたそうです。また、平均軌道からは、a,i,ωは、母彗星(テンペル・タットル彗星)に極めて近い値であるが、qは、母彗星より有意に大きかったことが分かったそうです。また、5時間の観測の間に、太陽黄経1゜あたり東へ0.82゜、南へ0.48゜の割合で輻射点の移動が見られた。さらに、平均輻射点位置は、赤経153.47゜赤緯21.92゜で他の外国の観測者とほぼ一致している。
18個の精密軌道による平均軌道 | |||||||||
α | δ | q | a | e | i | ω | Ω | P | |
平均軌道 | 153.47 | 21.92 | 0.9845 | 10.82 | 0.9090 | 162.37 | 172.37 | 235.1814 | 35.6 |
テンペル・タットル彗星 | 0.9766 | 10.34 | 0.9055 | 162.49 | 172.50 | 235.2583 | 33.2 |
日本の他者の平均軌道 | ||||||||
α | δ | q | a | e | i | ω | Ω | |
981118TV塩井氏 | 153.7 | 21.7 | 0.984 | 15.7 | 0.938 | 162.6 | 172.0 | 235.2 |
981118写真関口 | 153.69 | 21.81 | 0.985 | 11.88 | 0.914 | 161.57 | 172.97 | 235.26 |