96年のPer群の観測結果 ☆☆ 関口

 今年は、極大日が天候に恵まれなかったのであったが、ヨーロッパの観測結果からは、平常の2〜3倍の出現があったようである。  今年は、予想極大日の夜半後に曇られてしまい、極大を見ることができなかった。しかし、15日は台風一過で透明度がよく暗い流星が多かったが明るいのも平年より多く感じた。今年は、II(デルフト社)を手に入れたのでTV流星として観測を並行して行った。成果は、思ったよりもよく旭町の自宅の屋上で大体1分に1個のペースで写すことができ、今後に期待が持てそうである。なんといっても寝ていても流星が見られるのです。しかし、2時間毎に起きてテープの入れ替えと観測後の記録するのに、観測時間と同時間のビデオでの再生と記録するのに時間と体力が必要になります。眼視をあきらめてTV一本で行うのであれば、時間は、半分で済みます。何といっても、気に入った流星を何回も見られるのが最高です。ビデオプリンターやビデオキャプチャーなどで画像データとしても残せます。   

  ☆ 眼視とTV流星の観測結果(川越市自宅の屋上にて)

日 時  観測時刻 時間 方向 合計 H・R 最微 Per H・R Z・H・R




11/12 2:15- 3:00 45 Cas 42 56.0 5.0 0 21 28.0 46.7
12/13 21:10-21:53 43 Lyr 29 40.5 4.3 1 14 19.5 98.6
12/13 22:22-23:00 38 Cyg 36 56.8 4.2 0 17 26.8 105.6
12/13 23:10-23:58 48 Cyg 48 60.0 4.5 0 20 25.0 69.8
15/16 0:58- 2:00 62 Peg 79 76.5 5.2 0 20 19.4 36.0
5/ 6 22:55-23:15 20 Cyg 15 45.0 5.2 0  1 3.0  7.8









11/12 2:10- 3:11 61 Cas 61 60.0 5.2 0 25 24.6 41.2
12/13 21:07-21:52 45 Cyg 26 34.7 4.2 1  7 9.3 48.5
12/13 22:03-23:00 43 Cyg 32 44.7 4.2 2 14 9.5 61.0
12/13 23:03-23:55 52 Cep 33 38.1 4.0 0 14 16.2 55.9
14/15 20:15-20:45 30 Cyg  8 16.0 5.2 0  1 2.0  9.4
15/16 22:39-23:00 21 Cyg 22 62.9 5.5 0  5 14.3 35.1
15/16 23:00- 0:08 68 Cyg 60 52.9 5.5 0 22 19.4 41.7
15/16 0:20- 1:00 40 Cas 40 60.0 5.5 0 22 33.0 60.0
15/16 1:00- 2:00 60 Cas 62 62.0 5.5 0 20 20.0 32.9
15/16 2:00- 3:00 58 Cas 75 77.6 6.0 0 29 30.0 38.6
15/16  3:00- 3:47  47  Cas  54  68.9  6.0  0  15  19.1  24.0 

★光度分布

   −4 −3 −2 −1 合計
眼視    1  1  1  3  9 19 48 14  2   98
TV       1  3  5 10 29 46 45 33  5 177
全体    1   2   3   7  17  40  88  58  35   5  256 

  ★平均光度等    ★火球 4日 20時55分 −3等 Per群 痕あり オレンジ色  

平均光度 光度関数0〜5 −1〜−4 有痕率%
眼視 2.56  1.85 3.46 15.3
TV 3.25  2.77 3.37 14.1
全体  3.08   2.62  3.57  12.9 
★放射点 (2000年)
 α=54.53 δ=56.86
16日0時39分にほぼ同時に出現したTV観測の流星(1等と2等)より

  ☆ 眼視とTV流星の光度分布や光度関数の考察  

1996年の眼視の光度分布 1996年のTVの光度分布

1996年の眼視とTVの光度分布

3つのグラフとも青はPer群、

赤は、散在。ピンクは、全体の

流星数を表しています。

☆眼視では、3等の流星が多いが、Per群は、4等の流星が少ない。これは、極大期がみられなかったためである。TVでは、2,3、4等の流星が大体同じなのも極大期の暗い流星を捕らえていないためである。散在流星の 4,5等が多いのは、他のTV観測と一致する。眼視よりも1等級程度暗い流星が多い。

 ☆光度分布のグラフを見ると明らかに、TV観測の方が、眼視観測よりも暗い流星を捕らえていることが分かる。  ☆今回のTV観測から、暗い流星が多いことだけでなく、白鳥群などが、多く出現していること、Per群の輻射点の広がりが大きいこと、カシオペヤ座の下(おおぐま)あたりから暗い流星が出現していること、明け方近くに、東方から2等級程度の流星群らしきものも見られること等が得られた。また、子馬群やペガスス群も活動しているのが分かった。今度は、小流星群の検出をしてみたい。今回の輻射点の決定には、TV画面上でOHPシート上にプロットして求めたために誤差が500秒と10倍近く出てしまったため、画像  を取り組んで処理していきたいが、パソコンを買い換えないと無理なようです。