平成18年2月 定例会 | |
期 日:平成18年2月26日(日)14:00〜16:00 会 場:大分市 コンパルホール 302号室 参加費:会員 500円、非会員 700円 |
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1.14:00〜15:20 講演 | |
演題名:「終末期における在宅ケアは可能でしょうか?」 |
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プロフィール |
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講演要旨 たとえば、治癒不可能な末期癌になった時、約60%余りの方が在宅での療養を希望しています。しかし、実際在宅での療養が可能であると思っている人は20%足らずにすぎません。多くの方が在宅での療養について、不安をもっています。それには医療的な問題だけでなく、生活の問題が多く存在します。在宅で過ごすと幾らぐらいのお金がかかるのかとか、介護者の仕事が難しくなるのではと経済的不安もありますし、年老いた介護者がほんとに看ることができるのか、介護者がノイローゼになるのではないかなど介護不安もあります。 一方、どうしても在宅で看取りたい看取られたいと思っていても、近くに24時間体制の訪問看護ステーションや往診医がいるかどうかわからない、あるいはどんな人達が訪問してくるのかわからない不安もあります。 我々は、10年ほど前より在宅での看取りを試み、多くの方々と貴重な時間を過ごす機会を戴きました。尊厳ある看取りを多く経験し、在宅での終末期ケアが死ぬ ためのケアでなく、生きるためのケアであることを痛感しました。在宅での看取りを通 して、地域の人々が満たされた気持ちになり、次の世代を担う子供たちにもメッセージを残していく姿に感動しました。 昨年より、厚労省をはじめとする行政は高齢者の尊厳を保つためにも、医療費の削減のためにも、在宅での看取りを誘導しようとしています。さらに、今年4月の介護保険の改正に関しては、40−64歳の人々にも末期癌であれば、介護保険の利用を可能であるようになりました。さらに、在宅死を支援する在宅療養支援診療所の創設も決まりました。社会のコンセンサスはかならずしも得られていませんが徐々に在宅の看取りは進められつつあります。今回は、より具体的に在宅での看取りの実際をお見せすると共に、在宅ホスピスとはなにかについてお話したいと思います。 |