クリアー



君は洒落たあの子に頷いて、
見失う。 殺されたのは何も持たない空白。

君はあの場所に行きたい理由など、
持たない。 試されているのは協調、即ち妥協の器。

君は疲れた個性が叫ぶ悲鳴に、
苛む。 地で砕けて飛沫をあげるは飽食の果実。


流れていくのだ。
シンプルが良いのだ。
生き様を晒す必要性などないのだ。

目を閉じれば聞こえてくる内なる産声に、
君はただ忠実に、顎を上げれば良いわけだ。


空白。自由なる。

この暗号を聞けよ魂。

猥雑な街に毒されながら迷走する、
クリアーに交わるはずだった軸が象る影の本質を知れ。


応答せよ。
応答せよ、深層。


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