There will be an answer



必要であるものと必要でないもの。

ただいつも贅沢で、切り離し自由の透明な紐は
初めから結ばれていなかっただけなのかもしれない。
何を今更と笑われてしまうこと。
カラフルなまでの日常に終わりを告げること。
そのことには大して抵抗はないのだけど。
知ってしまった後に、知らなかった時には戻れないと泣くことは
きっと卑怯なことなのだろう。一挙一動。タイムマシン。
なのに僕はそんな夢ばかりを見ている。

全てこの手の中にあった。毎日少しずつ零れた。
満たされながら失っていた。君にしかわからない暗号であるはずだった。
そんな感傷に浸るべきでない。永久不変は存在しない。
そう頭ではわかっていても、繋がった余韻は酷くこの胸を突く。
だけど決して不具でない。これは正しい痛みなのだ。
そんな細く強いピアノ線の様な確信を胸に、明日を歩いてゆければと思う。
本音を吐けば、脆く崩れることも知ったからこそ。
なのに僕は甘い夢ばかりを見ている。

心の中でループする言葉。
そしてそれらを今、悲劇として捕らえている現実。
音に涙することも、映像にため息つくことも、
誰かに基盤を構成されていたのだという事実に気づいても。
スピリチュアルに考えることを、いつだって止めてはいけない。
出会った意味。失うことの試練。未来の模索。
それらを読み取るためのスキャナーはいつか正常に動くはずだろう。
なのに僕は君の夢ばかりを見ている。


回転扉。撥ね返す光。交差する日常。反芻されてゆくリング。
君のエピソード。織り込まれた矛盾と不実。多分、不可欠の嘘。
何でもない今に繋がるための透明なスパイラル。

それらは全て僕の窪みの形をしていた。

「きっと答えはみつかるだろう」

君にしかわからない、心。 故に、この胸。


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