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2007年5月30日(水) 

夜半に降り出す雨は白。
傘から手のひらを差し出して掬ってみれば透明。
傾けるとアスファルトに落ちてゆく漆黒。
そうして足元で跳ね上がった小さいクラウンは銀。

ぬれた手をジーンズで拭いながら枯れてしまいそうな言葉遊びを。
言葉とは心の成れの果て。 想いを捉えたり足を止めたり、何かを奪ったり与えたりもする代物らしい。
後生大事に抱いても捨てても崇めても囚われても忘れたつもりでも。
呼吸や鼓動や瞬きのように、理由を追い求めずとも私を生かしている。

何を掻き消す必要があるんだろう。
それはどんなに繰り返されたものより確かなのに。
あの角を曲がった信号が青だったり、出かけた先で見つける旧友だったり、
いつも耳にするようなあの歌だったり、どこかの車両でニアミスしていたり。

どんな偶然より、君が確かだ。
君の存在が、何より必然で重大だ。

Akiary v.0.51