いっそ二人で逃げましょう
    紅いものなんて
    唇だけではないのですから


    扉が
    掟を選んだのだとしても
    砂はいつか
    崩れてしまうものです


    誰も
    覚えてはいないのでしょう
    足に絡む
    柳の枝も
    明日
    奪うはずの朝も


    気付いていますか
    これが
    誰のために
    降る灰か。