炭酸水の中の瞳たち




   鯨の瞳を模した 硝子の雫を

   炭酸水で満たした金魚鉢に 一つ転がす

   泡立ちの消える一刹那まで

   じっと 見つめて


   私の瞳を模した 硝子の雫を

   鯨の其れに寄り添わせるように そっと転がす

   炭酸水の揺り籠で

   静かに眠れ