暗い部屋で静かに息継ぎをする




   右の膝を両手で抱えて

   暗い此の部屋の中



   月明かりでさえも眩しくて

   窓を離れてさかなの側まで

   私はのそのそと
   逃げ出した


   そうして
   床に頬をよせ
   冷えきった空気の中
   朝からでさえ
   逃げようとした


   此の白い天井が
   私の空で
   其の硝子檻の中が
   あなたの海で


   まだ
   もう 暫くだけ