サナトリウム




     八月二十七日 午前二時


     病室の小さなベッドの上
     真っ白なシーツをかぶって
     はしゃいでいました
     夏が
     終わるのを知って


     少し涼しくなって
     外に出ました
     一人はとても怖いものです
     花火が見えました
     とても大きな花火でした


     知っていますか
     隔離された世界では
     ひとは十八で死ぬのです
     それが僕らの世界です


     僕らのうちのひとりが
     きょう
     死にました
     とてもあつく
     そらの高い、きょう
     死んだのです
     彼女の誕生日は明日でした


     僕らは知りました


     けれども
     ここから出ることは
     けしてしないのです


     そして僕らは
     吐いた血を
     隠すようになりました