現実に対するメルヘンを失ったといったところで
  君は相変わらず靴をなくすし
  僕は人間の姿を忘れてしまっている

  あの鉄塔に閉じ込められているのはいったい誰だい  
  時計台の鐘は一度も鳴らない
  醜悪さは物語を信仰させるけれど
  空を飛ぶことも森で迷うことももうないだろう

  だけど
  僕はビルの屋上で東京タワーを眺めていて
  君は街の端で時計を直している

  ねえ
  世界はどこまで見えていた

ラジオジャック ビフォア サマードリーム