母は沈む日を連れて




   静かに鐘は鳴る

   「ばいばい。」

   私は今しばらく夢うつつ
   誰も居ない夏の公園


   黄昏時のブランコをこぐ
   がらんどうの滑り台にのぼる
   ひとりで水を飲む
   砂場に寝転び空を確かめる  


   雲が流れる
   雲が流れる
   やがて風はやむ


   「帰りましょうか。」


   黄昏時
   母は沈む日を連れて