そしてぞんびになったおんなのこは。




       そしてぞんびになったおんなのこはめそめそとなきました

       あたしはとろとろとくずれたはだのしたから
       するするとでてきたしんぞうの
       そのしんせんなようすにあんどするのです
       まだあたたかいそれは
       とくりとくりとあたしのこころをしめつけました

       じょうちょふあんていなはずのあたしを
       あやすように いやすのは
       ぴんくいろの くすり と みずいろの みず でした
       じしょうも じちょうも すきではなくて

       それでも きょどうふしんをじかくするあたしが
       けらけらとわらっていれるのは いられるのは
       おうじさまのくれた うつくしいどくが あるから
       おひめさまになれなかったあたしはひとめで こいにおちてしまうのです

       びたみんざいのようなものと そらをとぶためにひつようなこころを
       てにいれたあたしは まだしょうじょでいるために
       ぴーたーぱんしんどろぅむなのですと ままにむかっていうのです
       ままはすこしわらって はいざらをさしだしました

       まほうつかいはささやくのです くすり は にがいほうが よいのだ と
       それはまるで うそみたいな だまされたがりの うそみたい
       あたしはしっているのです どく は あまいほうがよいのだ と
       しょうじょのせかいは あまいどくときれいなうそで できていた

       あたしはうまくうごかないひだりあしの
       つめのひとつひとつにぺでぃきゅあをぬって
       そして
       そして
       ぞんびになったあたしはまた めそめそとなくのです