子供でいることに対してひどく自覚的だったために


君が生まれて死にたくなるほどの羨望を覚えた

いったいそれがどれ程のものだったのか

いまとなってはもう記憶の奥底なのだけれど

まだ死にたいと口にしている




君のてのひらに張られた頬はいまだに熱をおびている

僕は覚えている、あの日ころしてしまったものたちを

子供であることをひどく恥じていた

僕も、君も



夢の中ではそれでも空を飛んでいた

月の近くまでいって

「君に教えてやろう。」



向日葵よりも低い背や、ラムネのビンよりも細い腕で

(何が出来るというのだろう。)

大人になりたいと、思っていた。



君が見ていたのは向日葵

僕じゃない






こどもの、ころすもの