内的世界の密語





   私はわたしをワタシへ売った
   幾らになったかさえ覚えてはいない
   もしかしたらこの花と
   取り替えたのかもしれない


   ワタシは私がわたしを殺したと言う
   そんなことは無い筈だろう
   未だこんなにも暖かく
   蠢いているというのに


   わたしはワタシを私から奪う
   何も見えてはいない
   壁の染みが蝶の様であるのも
   その羽音の美しい蒼も


   私の髪はぱさりと落とされた
   確かめるために鏡を見つめる


   わたしは眠った
   ワタシの子守唄を聴きながら