光と色の効果



石そのものが持っている色に関係なく、
不純物や化学組成にも起因していない縞状の光や色を現す鉱物があります。
それらの効果は反射、光の干渉、屈折などが原因となっています。


〜シャトヤンシー(キャッツアイ効果)〜
猫の目に似た線状の光の効果。フランス語の猫(chat)に由来。
平行な繊維やニードル、チューブによる光の反射に起因しています。
この効果は繊維状とカボッションの底面が平行になるようにカットされた時に、
最も効果が大となり、
石を回した時、キャッツアイは表面を滑るように動きます。
最も高価なキャッツアイはクリソベリルのもので、
他にもクォーツのキャッツアイ、ホークス・アイ、
タイガース・アイなどがあります。
単にキャッツアイと言った時は、キャッツアイ・クリソベリルを指します。
他のキャッツアイはそれぞれの石の名称を冠して表示されます。

〜アステリズム〜
ギリシャ語のスター(aster)に由来するこの効果は光線がスター状に現れる効果で、
幾条かの光が一点で集まって、石それぞれの明確な角度で交差します。
キャッツアイにも見えますが、反射した条光が様々な方向性を見せ、
特にルビーとサファイアのカボッションが、効果的な六条のスターを現します。
四条のスターと、まれに十二条のスターのものもあります。
ローズクォーツの塊が球状に加工されると、光線は全表面に沿って移動します。
石が内包しているニードルが部分的に破壊されていると、
不完全のスター、部分円や光のかたまりを現します。
合成石にも見られる特殊効果です。

〜アデュラレッセンス〜
アデュラリアの変種であるムーンストーンに見られる現象です。
表面を滑って動くような、青白い微光を放ちます。
他のフェルドスパーとの混合による光の干渉がこの効果の原因です。

〜アベンチュレッセンス〜
不透明な背景に小さな内包物がキラキラと輝く効果です。
アベンチュリンフェルドスパーの場合はヘマタイトかゲーサイト、
アベンチュリンクォーツの場合はフックサイトかヘマタイト、
また模造品のアベンチュリンガラスの中には銅片が含まれています。

〜イリデッセンス〜
石の中の亀裂や割れ目に生じた光の干渉現象が、虹の色となって現れるものです。
ギリシャ語で虹を表わす言葉(Iris)が語源となっています。
ロッククリスタルの中に人為的なひび割れを生じさせたものもあります。

〜ラブラドレッセンス〜
金属的な色合いによる変色で、
特にラブラドライトとスペクトロライトによく見られる現象です。
ブルーやグリーンの効果は普通に見られますが、
全てのスペクトルのあるものが尊重されています。
繰り返し双晶による層状構造による光の干渉が原因と推測されます。

〜オパレッセンス〜
コモンオパールに見られる短い波長の光、
特に青色光の反射によるミルキーブルーや真珠状の外観を指します。
ときとして、プレー・オブ・カラーと混同されます。

〜プレー・オブ・カラー〜
見る角度によって変化するオパールの遊色効果のことです。
結晶粒子の小球面が光の回折現象を引き起こして発すると考えられています。

〜ルミネッセンス〜
ラテン語の「光」に由来するこの効果は、
ある光線の影響、物理的や科学的刺激によって
熱を含まない可視光線が放出される現象です。
特に紫外線で発光するフローレッセンス現象は有名で、
最初にこの現象が観察された蛍石に由来することが知られています。
ある物体が照射を中止した後も発光しつづける場合は、
その効果をフォスフォレッセンスといいます。
これは燐の光学的特性から名付けられています
蛍光する原因は、発色の要因となっているクロムやマンガン、
コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステンとウラン化合物などの
微細な金属の混入であるとされています。