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マルボドゥスの宝石についてA



マルボドゥスの「宝石について」より、
25種の石についての記述を紹介します

アダマス(金剛石)
「打ち破ることができない」の意
・毒薬を退ける ・携帯者を無敵にする ・夜の亡霊や幻影を追い払う

アレクトリウス
ギリシャ語のアレクトール(雄鶏)に由来
・携帯者を無敵にする ・演説者を落ち着かせ雄弁にする ・恋の炎をかき立てる

サッピフィルス(瑠璃もしくは青玉)
サンスクリット語のシャニブリヤに由来
シャニ(土星)とブリヤ(お気に入り)の合成語
・聖なる石、宝石の中の宝石である ・降神術に適している
・神を鎮め、神が祈りに心を留めてくれるようにする ・平和を回復する
・体を活気づける ・四肢を健全に保つ ・目から汚れを取り除く
・犯罪の害を受けない ・嫉妬心を抑え、いかなる恐れにも動揺しない

クリソリトゥス
クリューソス(黄金色の)とリトス(石)に由来
・金に嵌め込むと護符になる ・夜の恐怖に対して心強い保護者となる
・悪魔を追い払う

ヒアキントゥス
ヒヤシンスの花に由来
・三種類ある(赤、黄、青色) ・いわれのない嫌疑を晴らす
・名誉にふさわしい評価を得る ・安全を保証する ・挫折を味わうことがない
・悲しみを取り除く ・あらゆる面で強い効能を持つ ・周りの空気の色に反応して染まる

アメティストゥス
「酒に酔うことのない」の意のギリシャ語に由来
・酒酔いを防ぐ ・五種類ある(紫、薔薇色など)

ケリドニウス
ギリシャ語のケリドーン(ツバメ)に由来
・衰えた視力を治す ・月の病(精神病)を鎮める ・狂気や脱力感を癒す
・有害な体液を抑える ・雄弁家となり人に好かれる ・ツバメが生む
・不恰好だが力では何ものも及ばない ・二種類ある

コラルス(珊瑚)
コラリオンに由来 豊穣の象徴
・健康によい ・雷、台風、嵐を退ける ・収穫が増える
・悪魔の亡霊やテッサリアの怪物を退治する ・物事の楽な始まりと幸運な終わりをもたらす

エキテス
ギリシャ語のアエトス(鷹)に由来 難産の時、雄鷹が巣の中に運んで来るといわれることから
・妊婦を早産や難産から守る ・子供の成長を守る ・愛をもたらす
・勝利と賞賛を与える ・ユピテル神の鳥が地球の果てから持ってくる
・落雷の破壊を防ぐ ・妊婦のように別の小石を中に包み込んでいる

シレニテス(月長石)
セレーネー(月)に由来
・月の満ち欠けで力が変わるので、神聖な石と呼ばれる
・衰弱した人や肺疾患者を助ける ・愛情を深める

ケラウニウス
ケラウノス(雷電)に由来
・雷が落ちたところにある ・雷に打たれない ・暴風で船が沈まない
・訴訟に勝つ

エリオトロピア(血玉髄)
ヘーリオス(太陽)とトローペー(向きを転ずること)に由来
・寿命を長くし、支障のないように保護する ・血液の腐敗を抑え、毒を排除する
・予言できるようになる ・透明人間になる

エピスティテス
ギリシャ神話の「鍛冶の神ヘパイストス」に由来
・きらめく光で目を痛める ・熱湯を冷やす
・作物を鳥、イナゴ、霧、霜から防ぎ、嵐の害を避ける
・暴動を鎮め安全を守る

エマティテス(ヘマタイト)
ギリシャ語のハイマ(血)に由来
・血液剤となる ・月経の苦痛を抑える

アベストゥス(石綿)
ア(ない)とベストス(消される)に由来 「消すことができない」の意
・永遠の炎を燃やし続ける

ケロニテス(亀石)
ギリシャ語のケローネー(亀)に由来
・インドの亀が運んで来る ・月の満ち欠けで力が変わる
・未来を予知できるようにする

ガラクティダ(乳石)
ガラ(乳)に由来
・乳がよく出るようになる ・出産が楽になる ・心が乱れる
・擦ると乳汁が出て乳の香りがする

ヒエナ
ハイエナの意
・ハイエナの目から取り出される ・予言ができるようになる

イリス(虹石)
ギリシャ語のイーリス(虹)に由来
・光にきらきら輝くイリスは虹をつくる

アンドロダンマ
「男を飼い慣らす」の意
・銀の輝きを持つ ・激昂した友を鎮める

オブタリウス
オフタルミア(眼病)に由来
・目から病気を除く ・携帯者の視力を強め、他者の視力を弱める
・盗賊の保護者になる

パンテロス(豹石)
ギリシャ語のパンテール(豹)に由来
・あらゆる行動の勝利者となる ・野獣を震えさせる
・あらゆる種類の色を持つ

ゲゴリトゥス
テーコー(溶かす)とリトス(石)に由来
・腎臓結石を溶かす ・痛む膀胱結石を除去する ・オリーブの実に似ている

ピリテス(黄鉄鉱)
ギリシャ語のピュール(火)に由来
・きつく握ると火傷をする

ディオニシア
ギリシャ神話の酒神ディオニュソスに由来
・香りで酩酊を避ける ・黒地に赤い斑点をつけてきらめく