金閣寺(鹿苑寺)
正式には、「鹿苑寺」と言いますが、境内の金閣があまりにも有名なため、金閣寺と呼ばれ親しまれています。
金閣寺は、応永4年(1397)室町幕府3代将軍足利義満が、西園寺家から譲り受けた地に別荘北山殿を造営しました。応永15年(1408)義満が没し、その遺言により、夢窓疎石を開山に臨済宗相国寺派の寺院に改められました。
多くの堂宇は兵火で焼失、後水尾天皇(在位1611〜1629)勅営の方丈が最古の建物となっていて、創建時の姿は庭園にしのぶだけです。
鏡湖池に金色の姿を映す3層の楼閣で、お釈迦様のお骨をまつっています。創建時唯一の遺構でしたが昭和25年(1950)に放火で焼失、現在のものは昭和30年(1955)の再建です。2層と3層は漆の上から純金の箔が張ってあり、屋根は柿葺きで、頂には鳳凰が輝いています。初層は藤原期の寝殿造りで法水院、2層は鎌倉期の武家造りで潮音堂、3層は禅宗様の究竟頂と呼ばれ、3つの様式を見事に調和させた室町時代の代表的な建物と言えます。近年、傷みがはげしく、昭和62年(1987)秋には、5倍の厚さの金箔に張り替えられました。
江戸時代の茶道家・金森宗和が好んだ数寄屋造りの茶席で、夕日に映える金閣が殊に佳いということで、「夕佳亭」と名づけられました。正面の床柱が有名な「南天の床柱」です。茶席の前の石灯籠と富士形の手水鉢は、銀閣寺(慈照寺)を建てた室町幕府8代将軍足利義政が愛用したものと言われ、茶席横の「貴人榻」は身分の高い人の椅子という意味です。
金閣の前にある約6600m2の鏡湖池を中心に、境内全域に広がる室町時代の代表的な池泉回遊式庭園です。葦原島など大小の島々や、当時の諸大名がきそって石を献納してその名がつけられた畠山石や赤松石・細川石などの名石が配されています。また、金閣の裏には義満のお茶の水・お手洗の水、竜門の滝、高台には西園寺家時代の名残とされる安民沢という池もあります。
拝観料: 400円
拝観時間: 9:00〜17:00
交通: 市バス101系統・205系統 金閣寺道下車、徒歩5分