睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群といびき
いびきの生体に対する悪影響は池松武之亮いびき研究所 の創始者故池松武之亮博士の多年の研究により世界で初めて明らかにされました。いびきは決して豪傑ではすまされません。単純ないびき症の方の一部に”睡眠時無呼吸症候群のかたが少なからず(人口の2〜4%)存在すると言われています。
恐ろしい睡眠時無呼吸症候群って?
大いびきをかく人は、ほとんどの人が口を開けて寝ているので顎が下がり、舌の根元も下がり気道を塞いで閉塞状態になります。この状態は無呼吸状態で呼吸ができなくなってしまいます。この無呼吸症状を続けていると、心臓をはじめ脳に送られる酸素が欠乏し、しだいに脳障害をはじめ精神障害など循環器系や呼吸器系などに機能障害を引き起こす原因になると言われ、突然死もいびきが原因の一つと言われるようになりました。また毎年交通事故は増大していますが、その主な原因がいびきによる睡眠不足にあることも解明されてきています。
        
居眠り運転による交通事故もいびきが原因
居眠りは、睡眠不足のため起きる日中傾眠です。昼間車を運転している時、目を開けたまま瞬間的に寝てしまう現象をマイクロスリープと言い、危険な状況に対応できな いばかりか、自ら事故を引き起こす大きな原因となります。このため危険な状況下におかれたり、スピードによる危険な 状況判断ができません。 この居眠りの原因は、大いびきによる無呼吸症によるものといわれています。無呼吸症状は苦しいので目を覚まし、半覚醒状態を続けることになり、ほとんど熟睡していないため昼間睡魔が襲うことになるのです。このようにいびきは、本人の健康を奪うだけでなく、多くの事故やトラブルに周囲の人達まで巻き込む危険性をはらんで いるもので、すでに病気と言っても過言ではありません。
   
いびきは健康を害するさまざまな病気のもと!?
空気が出入りする上気道の抵抗が大きくなるにつれいびきは激しくなり、周囲に迷惑をかけるばかりでなく、 健康に重大な影響を及ぼす睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。<BR> いびきをかくことは肺に入る空気の抵抗が大きい訳ですから、呼吸器の空気のフィルターが詰まっているのと同じことです。 したがって肺に送り込まれる空気の量が少なくなるため酸素の摂取量も減少し、軽い酸欠状態になり、血液中の酸素量も 減ってしま います。また呼吸が途中で止まる無呼吸症状は、一晩に何百回も引き起こすのでさらに酸素の摂取量が減少してきます。
    
いびきの正体とメカニズム
いびきの正体
通常呼吸は、鼻から空気を吸い込み咽頭を通り肺に至ります。 鼻から咽頭までの道(上気道)には、狭いところや凹凸が有り、呼吸の時これが気道抵抗となって 自然的に音 が発生します。この発生した呼吸音がいびきの正体です。試しに強く息を吸ったり、吐いたりして見てください・・・。 呼吸音のす るのが解ります。 睡眠中、スースー、スヤスヤと寝息を立てることが有りますが、これも自然的な呼吸音で、この程度はいびきは健康に支 障はありません。 人間は呼吸の際、誰でも呼吸抵抗がありますが、その抵抗が高くなるにつれて他人 にも迷惑ないびきとなります。
いびきのメカニズム
なぜ上気道の抵抗が大きくなっていびき(呼吸音) になるのでしょう。
1)鼻が詰まったりして苦しくなり口を開いて寝る。
2)鼻の病気が原因で鼻の通りが悪いので口を開いて寝る。
3)普段口呼吸の習慣がついているため口を開いて寝る。
4)睡眠のために顎の筋肉が弛み、顎が後退して気道を狭めさらに口を開けて寝る。
自覚症状は昼間の眠気、スッキリしない重苦しい頭
睡眠中多くの人は、顎の筋肉の緊張がとけ顎が喉の方へ下がります。すると上気道は狭くなります。このために呼吸 抵抗は大きくなります。口を開けなければこの程度で済みます。しかし、鼻の通りの悪い人は、苦しいので口を開いてしま います。 口を開くと空気が入り込み、口の中の圧力が上がり、舌の根本が沈下、同じに軟口蓋や口蓋垂も下垂して空気の通る道がま すます狭 くなります。<BR>  それにもかかわらず、身体に必要な酸素を確保するため、狭くなった上気道に同量の空気を無意識に通そうとします。 従って呼吸抵抗はいやが上にも増し、粘膜を摩擦したり、振動したりして大いびきとなります。またこの傾向の強い人はエスカレートして口から息を吸い込んでしまい、喉が乾燥してカラカラになり、粘膜が共鳴して 振動し大いびきとなり、やがてはこの大いびきが続くと呼吸が一時的に止まる睡眠時無呼吸症候群となります。
気道の呼気の流れ
おきている時 寝ている時
起きている時は、気道が広がっているので、もちろんいびきもかきかせん。空気の出入りはスムースです。 仰向けになると重力の影響を受け、口を開き、顎が下がり、舌の根元が下がって気道を塞いでいるのが解ります。
いびきの起きるさまざまな原因
いびきの起きる原因は、上気道がいろいろなことがもとで狭くなることであります。そのほかの原因としては、上気道の炎症や充血、乾燥、腫れ、たるみ、過剰分泌などが有ります。
  1. 口を開けて寝る。
  2. 心身の疲労やストレス。
  3. 老化による筋弛緩。
  4. 飲酒、精神安定剤などによる筋弛緩。
  5. 鼻腔や咽喉、咽頭の気管異常。(扁桃腺肥大、小顎下症、鼻中隔湾曲症など)
  6. 肥満。(軟口蓋や咽頭壁に脂肪がつき、咽頭が肥大し上気道を狭くする)
  7. その他内科的トラブルなど病気の場合。
4〜7の場合は専門医の診断をお勧めします。
危険ないびきといろいろないびきの音
いびきの音はさまざまなですが、その中には極めて注意を要するものが少なく 有りません。いびき自体心臓にかかる負担は大きいと言われていますが、往復のいびき は疾患を伴うことが多く、眠っていても逆に疲労がかさむ事があり、さらに大いびきの後に呼吸が止まるいび きでは、 無呼吸症による内臓への影響が指摘されています。ベッドパートナー(奥さんでも、恋人でも、友人でも同じ部屋で寝られている方)からひどいいびきと寝ている間の呼吸が止まっているといわれる方は是非専門医の診察を受けてください。