Laudi alla vergine Maria
聖母マリア讃歌

詩は Dante (1265年-1321年)の「神曲・天国篇」より
曲は Guseppe Verdi(1813年-1901年) の聖歌四篇より

Vergine madre, figlia del tuo figlio,             
Umile ed alta piu che creatura,
Termine fisso d'eterno consiglio.

Tu se' colei che l'umana natura
Nonbilitasti si, che 'l suo Fattore
Non disdegno di farsi sua fattura.

Nel ventre tuo si raccese l'amore,
Per lo cui caldo nell' eterna pace
Cosi e germinato questo fiore.

Qui se' a noi meridiana face
Di caritate, e giuso, in tra i mortali
Se' di speranza fontana vivace.

Donna, se' tanto grande, e tanto vali,
Che qual vuol grazia ed a te non ricorre
Sua disianza vuol volar senz' ali.

La tua benignita non pur socorre
A chi dimanda, ma molte fiate            
Liberamente al dimandar precorre.

In te misericordia, inte pietate,
Inte magnificenza, in te s'aduna
Quantunque in creatura e di bontate.

Ave.Ave.
処女なる母、 御身の息子の娘
いかなる創造物より慎ましく、そして気高く
神の永遠の助言にふさわしい方。

あなたは人間の本質に名誉を与えるほどの人
そして創造主もあなたを作りたもうたことを
悔いることはないほどでした。

あなたのお腹に再び愛の炎が灯され
その暖かさのため 永遠の平安のなかで
このようにその花が咲きました。

ここでは 私達にとって慈悲なる真昼の松明であり
下へ降りれば人間の間で
はつらつとした希望の泉なのです。

ご婦人よ、あなたはとても気高く、とても有能である。
恵みを願いながら あなたに頼れない人はみな
彼らの望みを 翼なしに飛ばしたいと思う。

あなたの慈しみは願う人を救うだけでなく、
しばしば自由に
要求するよりも先に与えられる。

あなたのなかに慈悲が、あなたの中にあわれみが
あなたの中に荘厳さが
あなたの中に創造物の善なるものが集められている。

アーヴェ。アーヴェ。

    日本語訳: み〜
        (無断転載をお断りします。)



Giuseppe Verdi は最晩年に宗教曲4曲を作曲しました。
それをひとまとめにして「聖歌四篇」といいます。
この聖母マリア讃歌は第三曲目にあたり
他の曲がラテン語による混声で書かれているのに反して
イタリア語による女声合唱で かつ無伴奏で書かれています。
テキストはイタリアの詩聖ダンテの「神曲・天国篇」から最後の詩篇。

今回は「ルネサンスの薫り」ということで Verdi はロマン派ですから
詩のみを載せておきます。