聴きに行きたい演奏会(2002年SPECIAL

ポリーニ・プロジェクト 2002 in 東京
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[現代作品と古学とのプログラム、ポリーニ自身参加による室内楽の夕べ等]

日  程 曲  目 演奏者
2002年10月21日(月)
開演:19時〜
東京文化会館
ブーレーズ: 弦楽のための本
バルトーク: ピアノ協奏曲第1番
ストラヴィンスキー: バレエ音楽<火の鳥>
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
ピエール・ブーレーズ(指揮)
ロンドン交響楽団
2002年10月25日(金)
開演:19時〜
紀尾井ホール
ドビュッシー: シランクス
ベリオ: セクエンツァT
ベリオ: セクエンツァ[
ベリオ: アルトラ・ボーチェ
モンテヴェルディ: マドリガーレ集第7巻より★
モンテヴェルディ: 戦いと愛のマドリガーレ集より★
マウリツィオ・ポリーニ(チェンバロ)
ミケーレ・マラスコ(フルート)
パスカル・ガロワ(ファゴット)
モニカ・バチェッリ(メゾソプラノ)
テンポ・レアーレ(エレクトロニクス)
声楽ソリストたち
2002年10月28日(月)
開演:19時〜
紀尾井ホール
マレンツィオ: 5声のマドリガル 第9巻より
ノーノ: Ha venido, canciones para Silvia
ノーノ: ディドーネの合唱
ノーノ: …苦悩に満ちながらも晴朗な波★
ジェズアルド: 混声合唱のためのマドリガーレ
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
エルヴィン・オルトナー(指揮)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
2002年10月31日(木)
開演:19時〜
紀尾井ホール


シューベルト★: 明るい夜D.892
           女たちの挽歌D.836
           セレナードD.920
           水の上の聖霊たちの歌D.877
           <ヴィルヘルム・マイスター>より4曲
リゲティ: LUX AETERNA
クセナキス: 夜
シェーンベルク: 詩篇130番<深き淵より>
シェーンベルク: 地には平和を
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)★
エルヴィン・オルトナー(指揮)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ユリアーネ・バンゼ(Sop.)
ヘルベルト・リッパート(Ten.)
クリスティアン・ゲーハーヘル(Bar.)
2002年11月4日(月)
開演:19時〜
サントリ−ホール
ブラームス:二つのホルンとハープの伴奏による
        女声合唱のための4つの歌Op.17
        五つの歌Op.104、四つの四重合唱Op.92★
マンツォーニ:Trame D'ombre Grande Madrigale
         Concertato Libermente Ispirato
         a un Noh di Zeami
シューマン:女声とピアノのためのロマンス集第1集★
        4つの二重合唱曲Op.141
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
エルヴィン・オルトナー(指揮)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
アンサンブル・ノマド
吉野直子(ハープ)
ラデク・バボラク(ホルン)
シュテファン・ドール(ホルン)
マルコ・ラッザーラ(カウンターTen.)
クラウディア・バラインスキー(Sop.)
2002年11月7日(木)
開演:19時〜
サントリーホール
リゲティ: 管楽五重奏のための小品集
クルターク: 木管五重奏曲
モーツァルト: ピアノと管楽のための五重奏曲
シャリーノ: 6つのカプリッチョより第1,3,6番
シャリーノ: 6つの小四重奏曲
モーツァルト: ピアノ四重奏曲第1番ト短調
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
アンサンブル・ウィーン=ベルリン
アッカルド弦楽四重奏団
2002年11月13日(水)
開演:19時〜
サントリーホール
「ポリーニ・ピアノリサイタル」
ブラームス:
 幻想曲集Op.116
ヴェーベルン: ピアノのための変奏曲Op.27
シュトックハウゼン: ピアノ曲(作品未定)
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第24番<テレーゼ>
           同第23番<熱情>
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
2002年11月18日(月)
開演:19時〜
サントリーホール
武満徹: 弦楽のためのレクイエム
ベリオ: レクイエス
リゲティ: ロンターノ
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番<皇帝>
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
リッカルド・シャイー(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2002年11月22日(金)
開演:19時〜
サントリ−ホール
「ポリーニ・ピアノリサイタル」
ショパン:
 24の前奏曲
ドビュッシー: 前奏曲集第2集
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

 来年(2002年)の秋の演奏会。なんとも気の早い話で、本当に鬼に笑われそうですが、このプログラムを見たとき「なんじゃこりゃ〜〜!?」と素直に驚きながらも、「絶対に聴きに行きた〜い!!」と思ったのも確かなのです。。。ゆえに、気が早いと言われようと(笑)、今からでも載せておくことにしました。(正直言ってチケットがとれるかどうかのほうが心配・・・)

 あの現代最高のピアニストともいえる、マウリツィオ・ポリーニが古楽と現代曲をミックスしたプログラムを組む・・・それも合唱曲を入れて・・・よくよく、考えてみるとそれほど驚くことではないのかもしれません。遙かむかし、ショパン・コンクールで優勝しながらも10年間、表舞台に出てこずに勉強していたポリーニ。それもルービンシュタインやミケランジェリにピアノを師事して勉強しただけでなく、確か建築学とかも勉強していたとか・・・・。彼の音楽のための勉強はジャンルを超越したものなのだとそれを知った時に思ったのですが、彼のそれは時代をも超越していたのですね。それもピアノ・フォルテが発明されるより以前の中世・ルネサンスの時代までも。。。。。流石、ポリーニ! この話はポリーニが今年、演奏会のために来日した時に発表されたものだそうです。彼がこれまでザルツブルクやニューヨークで行ってきたプロジェクトの集大成とも言えるものだそうです。それを東京で・・・すっご〜〜い♪

 ポリーニは現代作品をもっと身近に感じて欲しいとかねがね言っていました。そして彼が言うように確かに現代音楽の流れはシェーンベルクやベートーヴェンよりも以前、モンテヴェルディから始まったと言ってもある意味では間違いないのかもしれません。モンテヴェルディはそれまでのルネサンス音楽の技法では表しきれない痛みとか苦しみ、赤裸々な人間の感情を表すべく新しい「第二の技法」というものを追求した人でした。彼のマドリガル曲集の第4巻以降がそれにあたり、ここ10年以上、日本でも特に4巻と6巻は好んで演奏されています。それはきっと月並みな言い方ですが、現代の私達にも通じるものがあるからなのでしょう。モンテヴェルディと並んで現代曲に通じる作品を残した作曲家として忘れてはいけないのが、同時代(ちょっと前かな?)のやはりイタリアの作曲家ジェズアルドです。彼の作風はいわゆるマニエリスモと呼ばれ突拍子もない和声進行を特徴としており、知らない人が聴いたらまさに現代曲かと思うでしょうね。今回のプログラムにもこの二人の作曲家の作品が取り上げられるようですが、まだ曲名までは決まっていないようです。・・・と言っても彼らのマドリガルは膨大な数にのぼるので・・・どれが取り上げられるのか楽しみです。

 こうしてみるとどの時代でも作曲家というのはいわゆる前衛的なものを求めているのがわかります。それは作曲家だけでなく芸術家というものが古今東西そうだったのでしょう。日本にも「能」や「茶の湯」、「俳諧」、「浮世絵」の世界に前衛的なものを見ることができるような気がします。今回のプログラムにもマンツォーニという作曲家の作品に世阿弥の「能」を題材にした作品が見受けられるのが興味深いですね。今回はないけれど日本の「和歌」や「俳句」からインスピレーションをうけた海外作曲家による現代音楽もこのプロジェクトの中にあってもおかしくはないでしょうね。

 と語りすぎちゃったけど、私が特に聴きに行きたいプログラムは10月25日,28日,31日,11月4日,ポリーニだけによるピアノリサイタルも聴きたいので11月13日も・・・・うぅぅぅ、やっぱり全部行きた〜〜い!! こりゃあ東京の人になるしかないか? uuu
(料金)
第1,8夜は Pt¥30000 S¥25000 A¥20000 B¥15000 C¥10000 D¥5000 
第2,3,4夜は S¥12000 A¥9000 B¥5000
第5,6夜は Pt¥17000 S¥12000 A¥9000 B¥6000 C¥4000
第7,9夜は Pt¥27000 S¥22000 A¥18000 B¥14000 C¥9000
問合わせ先: カジモト・イープラス (03−5749−9960)