宝塚国際室内合唱コンクールの思い出(その1)
H13.2.11
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毎年7月末の土曜日 宝塚歌劇で有名な宝塚市において
日本で唯一の国際室内合唱コンクールが開催されます。

宝塚国際室内合唱コンクールは今年(2001年)で18回を数えます。
偶然にもM団の定期演奏会と同じ回数。
M団は過去に第4回、第6回〜13回、第15回とこのコンクールに出場しました。

このコンクールは女声の部、男声の部、混声の部の3つに分かれており
それぞれで金賞、銀賞、銅賞を出すだけでなく、総合1位、2位、3位も選出されて
総合1位〜3位には副賞として賞金もあります。

どんな団体でもコンクールに出場できるというわけではありません。
まずその年の2月末までに演奏を録音したテープを添えて応募します。
どの団体かという名前をふせて 単にテープを聴くだけの予選審査があります。
この予選を通過した団体のみが7月末、阪急宝塚線の清荒神(きよしこうじん)駅のすぐ傍
宝塚市立図書館に隣接したベガホールにて開催される本戦にコマを勧めることができるのです。

ベガホールは国内では珍しい煉瓦造りで 収容人員は約300名の小ホールです。
舞台正面にはパイプオルガンもあり、煉瓦造りのせいか、とてもクリアで美しい響きがします。
当初はコンクールに出場するよりもベガホールで歌える喜びのほうが大きかったりしました。
今でこそ日本各地に素晴らしい響きのホールはいくつもありますが、
15年くらい前に小ホールであんなに響きの良いホールは珍しかったのです。

実はこのコンクールには8人以上20名以下という人数制限があり、
私達はいつも頭を悩ませていました。
・・・というのも、M団の団員数は30名強、当初は2つの混声のグループを作って参加してました。
その人選も一苦労・・・ある時は完璧に年齢でわけたり・・・w。
何とか20名で充実した音にしたい・・・でも それでは出られない人が・・・
ちょっと待って 外国の合唱団は女声、男声、混声の3部門全部に出場しているじゃない!
そっか〜 女声、男声にわかれれば全員出られるんだ・・・と納得。
運良く第9回から女声、男声も予選を通過することができ、デメタシ!デメタシ!
これで全員がコンクールへ出られる!!!

折角コンクールに女声、男声で出場するなら演奏会でも演奏しない手はありません。
それ以来、M団では「La Voce」という春の演奏会では、
女声合唱、男声合唱を必ずプログラムに入れることにしました。
最近は あちこちの混声合唱団が女声、男声の合唱曲も演奏会でやるようになりましたが、
あの頃(8年くらい前)は混声合唱団で 好きこのんで女声、男声にわかれて
演奏する団体はM団くらいしかなかったと思います。単なる欲張り?(笑)

ところがです 女声合唱の曲は国内外にたくさん素晴らしい曲があるのですが
男声合唱の曲は室内合唱に相応しい曲というのが少なくて・・・
(実際は当時はまだまだ日本に紹介されてなかっただけでしたが)
勿論、中世・ルネサンスの宗教曲にはたくさん素晴らしい男声合唱の曲があります。
でも、バランスのよい音域となると一番上はカウンター・テナーかアルトになってしまいます。

M団にはその道(笑)では有名なカウンター・テナーのような声のアルトのお姉さんがいます。
彼女を男声合唱にくわえて出場したら、審査員から「性」も同じでなければ・・・とクレームがつきました。
今回はヨシとするけれど・・・とね。
確か、その頃は規定に「性」のことまで書いてありませんでした。(今でもそうかな?)
以前には、女声に男声を入れてカウンターぽい 芯のある声にしていた団体もあったし
それ以後でも女声ソロ付きの男声合唱曲を歌って見事に金賞を取った外国の団体もあるのです。
程度問題だと思いますけどね、EQUAL VOICE の「性」って。

M団の場合、女声、男声のコンクールの結果は常に女声のほうが上でした。
つまり、女声が銀の時は男声が銅、女声が金の時は男声が銀。一度もその逆だった事はありません。
しかし、響きとして纏まっていて美しいのは男声の方だと思います。
ある時、プーランク「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」という
有名な男声合唱曲を歌ったとき、練習で下の倍音(この場合は基音?)が聞こえたのです。
誰も歌っていない低〜〜い音! メチャクチャ感動しました!
この曲を教会で演奏して この音を聞いたら まさに神の声に聞こえるだろうな〜って。。。
しかし、しかし・・・何故かM団の男声諸君は本番にとても弱い・・・。
あれ?こんなにか細い声だったっけ?・・・・・本番を客席で聴くと いつもそう思いました。
一説によると、M団の女声が客席にいて聴いているのが恐かったのだそうです。。。はあ?
それにくらべ、響きは細いけれど、音楽的センスと度胸に勝った女声は金賞を2回獲得。
コンクールのあとはいつも 「はいはい、荷物持ってよ!」と男性は虐げられてました(笑)。
「男は度胸、女は愛嬌」・・・というのは真っ赤な嘘で 実は「男は愛嬌、女は度胸」
・・・が本当ではないか?・・・・ふと、そんなことまで感じる私です。
こんなところにもM団の「かか@天下」の図式は見事に現れていました。(爆)

・・・(その2)につづく・・・

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