無常ということ
【方丈記】より <鴨長明>
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行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と住みかと、またかくのごとし。
(うたかた:水の泡)
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【平家物語】より
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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりを現す。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のどとし。猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
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【徒然草】より 吉田兼好
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あだし野の露消ゆる時なく、鳥辺山の煙立ちも去らでのみ住みはつるならひならば、いかに物のあはれもなからむ。世の定めなきこそいみじけれ。
命ある物を見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕を待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮らすほどにだに、こよなうのどけしや。飽かず、惜しと思はば、千年を過ぐすとも、一夜の夢のここちこそせめ。
(あだし野:墓地 鳥辺山:葬地 つくづくと:なすこともなくぼんやりとして)
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