合唱団「松江」ファイナル 参加記
(平成15年1月11日〜13日)
第1話

【はじめに】

 合唱団「松江」ファイナルが終了してはや1ヶ月が経とうとしています。
最後だから、なんとか自分なりの記録を残したいと思いつつ、
1月後半はアメリカへ2週間ほど出張していたこともありなかなか手をつけることができなかったのですが、
やっと最近その気になり出したので、少しずつ書いていこうと思います。
とはいっても、私にとって1ヶ月というのは、記憶が薄れていくのには十分な時間であり、
今必死にそれを辿りながら書き留めていく以上
どうしてもその内容が偏ったものになるのは仕方ありません。
人間の記憶とは不思議なもので、
後で考えればどうでもいいことなのに、何故かいつまでも覚えていることがあり、
反対に当時はとても感動したのだけれど、
いったいなににそう感動したのかちっとも思い出せないこともあります。
ですからこの記録もおそらく合唱とはおよそ縁のない話
(今鮮明に覚えているのは、練習後のこととか昼休みのことばかりなので)
が多くなると思いますが、あしからず。
それでは本題へまいりましょう。


[完璧な鯛飯ツアー]

 松江といえば、鯛飯が有名です。
もちろん鯛飯といえば皆美館。
3日間の限られた時間でこれを楽しむためには、かなり周到な準備が必要です。
昨年は全く行き当たりばったりの鯛飯ツアーだったため、時間を大幅にロスし
午後の練習に遅れるという大失態を演じてしまいました。(^◇^;)
その苦い経験から、今年は自分なりにかなり用意周到に準備を重ねました。

まず皆美館までの足、これはタクシーしかありません。
昨年は流しのタクシーを拾おうとして大失敗。
都会と違ってタクシーじたいがほとんど走っておらず、たまに来たと思ってもお客さんが乗っている、
といった状態で、空のタクシーはほとんど見かけなかったのです。
というわけでタクシーの予約のために前日ホールまで乗ったタクシーに備え付けてあった、
タクシー会社のカードをまずゲット。

次は皆美館の予約。
昨年は予約なしで行ったため、やっとたどりついたと思ったら30分待ちといった状況。
今年はばっちり予約し、行けば「Sさま、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
といった具合に、スムーズに鯛飯の世界に入れる(?)ようにしようと思い、
皆美館の電話番号を調べるため、泊まっていた水明館のフロントに早速聞いてみました。
「えーっと、鯛飯で有名な皆美館の電話番号を知りたいのですが?」
するとフロントのおじさんは早速地図を取り出し
「こちらでございます」と旅館皆美館の電話番号を教えてくれる。
すかさず私は「違います、旅館じゃなくて、鯛飯の皆美館です」というと、
そのおじさんは「こちらです」とまた同じところを指さすのです。
このおじさん、なにを勘違いしているのだろう?と思いながら
(↑実は勘違いしていたのは私のほうだったのですが)
再度、「ですから旅館じゃなくて、鯛飯の皆美館をお願いします」というと、
「ですからこちらです」とまた同じところを指すではありませんか。
とうとう私は「ではどこにあるか場所を教えてください」と詰めよりました。
私自身は皆美館の場所だけはちゃんと知っていたので、
フロントのおじさんが勘違いしているかどうか確かめようと思ったわけです。
でも考えてみれば私なんかより地元のフロントのおじさんのほうがよほどよく知っているはずですから
確かめるまでもなかったのですが、その時はおじさんの勘違いとしか私の頭になく、
おじさんが私の思っていた場所を指し示した時は、
「それなら合ってます」なんて生意気なことを言ってしまいました。  \( ̄o ̄) コラッby妻
私それまで皆美館が旅館もやってるなんて全然しらず、レストランだけかと思っていましたら・・・
そうじゃないのですね。
まあそれだけ間違ってはいけない、というこの鯛飯ツアーにかける私の並々ならに熱意が、
おじさんとの会話に現れていると思ってやって下さい。
妻から一言:おじさん、きっとムカツイタでしょうね。じゅびばじぇん、、、、<(_ _)> 
 ↑このオヤジ、時々思いっきり自分の勘違いなのに、頑固に言い張るときがあって・・・
 妻のわたしでもキレそうになることがあるの。。。お気持ち、お察し申し上げます。。許してチョッ♪)

これであとは午前の練習の休憩時間にでも人数を確認して電話を入れれば完璧! 
と自負しておりました。ところが・・・・
午前の練習は9時半に始まり、12時半までの3時間です。
誰だって途中1回程度は休憩があると思うでしょ?
私も休憩があることを信じて疑わなかったのですが、何故かいつまでたっても休憩する気配がありません。
11時を過ぎたころから私は鯛飯の予約のことが気になってとても練習どころではなくなってきました。
せっかくここまで恥をかきながらも練り上げてきた計画を、こんなことでおじゃんにするわけにはいきません。
11時半を過ぎたころには、これは昼休みまで休憩はないなと覚悟を決めたものの
練習後の段取り…(まず皆美館に予約を入れて、おっとその前に誰がいくかを確認しなくては、
それからタクシーを呼んで…)…のことを考えるとますます練習はうわのそら
もしも練習が延びたりしたら・・・なんて不吉なことを考えたり。
そうこうしている内に12時半に無事練習終了、なにか連絡らしきことをやっていたように思いましたが、
いちもくさんに部屋を出て、まずは人数確認、といっても誰がいくかは大体想像がついていたので、
とにかく皆美館に電話をしようと思っていたところに、なんと志を同じくした横浜のI田さんが
「僕がタクシーを呼びましょう」と誠にありがたいお言葉。
さすがに合唱仲間は違う、これぞ<あうんの呼吸>というか、<素晴らしいアンサンブル>というか、
とにかく見事な連携プレーで、都合9人が皆美館の豪華鯛飯をエンジョイすることとなった訳です。

皆美館に到着すると、さすがに予約してあるだけに、去年とはまるで待遇が違います。
「Sさま、おまちしておりました。ご準備ができるまでしばらくあちらの方でお休みください」
とロビー横の喫茶室のような部屋に案内されました。
その壁にはいわゆる有名文化人(誰だったか忘れてしまいましたが)の色紙が
ずらりと並んでいるではありませんか!?
一枚一枚感心しながら見ていると
「こちらへどうぞ」と、15人程度は入れそうなシックで落ち着いた個室に通され一同感激。
「いいじゃん」「素敵!」なんていいながら一同席につきました。
こんなところに通されたからには、鯛飯御膳の松・竹・梅のまさかを頼む訳にもいかず、
一同揃って豪華3000円(だったと思います)の御膳を注文。
もちろん午後から練習があるにも拘わらず、当然のようにビールも頼み、
練習で疲れたノドを潤したわけであります。
さすがに豪華御膳だけあって、鯛飯にたどり着くまでに、刺身やらカレイの唐揚げやら、
もちろん酢の物やら茶碗蒸しやら・・・・
それこそ一人前がどこまでかわからないほど料理が並び、またまた一同感激。
私も今までの苦労が一度に吹き飛んだ思いでした。
最後に出てきた待望の鯛飯は、昨年以上においしく感じられ、満足、満足。
ご飯のお代わり自由と聞いて、早速2杯、3杯・・・
(お茶碗ではありません、小さいながらもお櫃ですよ、念のため)
とお代わりするメンバーもいて、めいめいご満悦のようでした。

帰りは店の人にタクシーを呼んでもらい、プラバホールへ。
途中車中で午後の練習開始時刻である午後2時を告げるラジオの時報が聞こえましたが、
何故か昨年とは違って余裕の表情。
なんと言っても昨年は3人、今年はその3倍の9人もお仲間がいるのですから
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といった心境だったのでしょうか? 
とにかく2時ちょっと過ぎに全員無事ホールに到着。
練習がそろそろ始まろうかという時に、なんとか間に合い、
完璧な鯛飯ツアーは幕を閉じたのであります。

次は練習後の親睦会(つまり飲み会のこと)についてお話しましょう。

…つづく…