
![]() 北海道を望むメインフィールド |
サケ、カラフトマス、そしてヤマメの降海型として有名なサクラマスは、川で生まれ落ち
た後に海へ下って行き、急激に成長/成熟して産卵の為に母川回帰してくる。そして自らの命を
削って子孫を残して土へと還る。ではイワナの降海型であるアメマスはどうか?実は産卵の為に川に遡上
する事は同じなのだが、一仕事終わった彼らは再び海へと戻って行き、貪欲なまでにベイトを追い回し更
に成長を続けるのである。 ウミアメ、海で釣れるアメマスというと北海道・島牧村が元祖的存在で有名であるが、我々チーム・メビ ウスの本拠地、青森でも津軽海峡側のポイントが開拓されて以来、熱い冬が展開されている。昨シーズン 10回通い詰めてノーフィッシュという汚名を挽回し、JGFAの日本記録を取得する事を今シーズンの 目標に据え、シーズン初期の12月中旬から3月末まで片道90分のアイスバーンの道のりを26回も通 い詰めた。 |
![]() 待ちに待ったファーストフィッシュ |
96年12月14日、ひょんなことから今シーズンの初釣行となった。キャストを開始し た早々、以外にもヒット!人生初の海アメはあっけなく足下に横たわった。32cm、6:40の出来事 だった。川で釣れる個体と変わらない痩せた魚体ではあるが、その名前の由来通り大きな白い斑点がとて も美しい。その後も43cmを1尾追加し満足して帰宅するはずだったが、ヤツを見てしまった以上そう はいかない。60cmはあろうかというアメマスが20m程の沖で2度ジャンプ、ヤツの進行方向に移動 しながらジグをキャストするが全く反応がない...。今シーズンの初日は、新たな闘志を掻き立てる記 念すべき日になった。 |
![]() 20lb記録の53cm(1.32kg) |
あの日見たアイツが頭から離れない。翌日、翌週末、年末年始と天候を無視して暗いア イスバーンの道を朝駆けするがバイトすらない日々が続いた。5回の空振りの後にサーフに立った1月11日、 北風は強いもののウネリはそれ程きつくない。強風に負けないように11ftのシーバスロッドで40g のメタルジグをキャスト開始した早々の7:05、フォーリング中にヒット!強靱なロッドがバットから 綺麗な弧を描き、時折「ジィジィ」とドラグを鳴らす。大物の予感、ロッドパワーとPE20lbライン にものをいわせ、強引に砂浜にズリ上げる。ランディンクと同時に15cm程のコウナゴを吐き出した ビッグなアメマス。今年のファーストフィッシュは正式検量の結果、53cm、1.32kg。JGFA の20lbラインクラスが空位だったことが多少後ろめたさを感じたが、「次回は純粋な記録更新」を心 に誓いJGFAに記録申請する事にした。その後は新たな記録を求めて、8lbライン(ナイロン)と 16lbライン(PE)を波の状況で使い分けて、1月に4回の釣行を重ねたが35cmの小型を1尾 ゲットしただけで自分自身を満足させられる結果は得られなかった。 |
またしてもサクラマス(41cm)
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2月は1年で一番寒く雪も多い時期であり、早朝の路面は完全にアイ スバーン状態で注意が必要、特に雪が降った朝は暗いうちから雪かきをしているご老人が多く神経を使う。 慎重に運転しなければならないのは分かってはいるが、一番にポイントに入りたくてついつい気が急いて しまっていたのは去年までのこと。今シーズンは仲間が釣ったマメマスに関してデータが集計されており、 ある程度ヒット傾向が見えてきたため先行者がいても全く気にならないので、時合に合わせて釣行する様 になっていた。2月最初の週末となった2月1日,ロッドを絞り込んだのはなんと33cmのサクラマス、 翌2日もサクラマス41cmがヒットしてきた。海でサクラマスを釣ったのは初めてなので連日の釣果は 結構嬉しかった。しかし、仲間が40cmオーバーのアメマスを連続ヒットさせていたのが悔しくて、 長崎氏と朝一入ったポイントに戻りキャストを繰り返した。多少波があり気配十分、集中してキャストし ていたメタルジグに「ゴン」とヒット、苦労して波打ち際まで寄せてきて、その大きさに驚いた。これは... と思ったが前回釣ったヤツより痩せた52cmであった。どう考えても8lbラインの記録を更新する 1.36kgはありそうにもない。「16lbを使っていたら...」と後悔したが後の祭り、潔く海に お帰り頂いた。 |
![]() 新ポイントでゲットした48cm
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2月16日には48cmをゲットし、年が明けてからは一人で良型をヒットさせ絶好調、
ところが人生そんなに甘くない。3月に入った途端、小型のバイトはあるが全くヒットせず、連続5回の
ボーズを食らってしまった。3月6回目の釣行にあたる3月22日、日の出3時間前に入ってノーバイト
だったポイントに再度挑戦。過去のデータから見て期待は出来ない。ところが分からないものである。
遠投性能を重視した改造を加えたREDFIN9cmにバイト、ギラリと反転した魚体がその大きさを
物語る。テトラ際まで難なく寄せてその大きさに鼓動が高鳴った。近くにいた後藤君を呼びタモを用意
させた刹那、なんとすっぽ抜ける様にバレてしまった。手元に帰ってきたルアーには20cm程のイカナゴ
がガッチリとフッキング、50cmアップのアメマスがそのエサに化けてしまっていた瞬間、悔しさで
足が震えていた。 魚のニオイがした昨日、50cmオーバーのアメマスをバラシて悔しい思いをした。「今日こそは!」と いう思いが強い為か1時前に目が覚めた。後藤君と待ち合わせした4時まで、ルアーのチェックと「LF情報」 を読んでテンションを高め、いざ出陣。ベタナギの海に向かってジグを打ち込むが反応は全くない。11時 まで粘ったが50cmクラスのチェイスが2度あっただけでバイトしない、活性がかなり低いようだ。風が 向かい風の北西に変わると思われる15時に後藤君と再会することを約束し、各々休憩に入った。予想通り 15時頃から北西の風が吹き始め、見る見る波が高くなってきた。満を持してサーフを移動しながらキャスト を繰り返すがいっこうにバイトがない。昨日50cmクラスをバラした足場の悪いポイントに目を向けた が波に洗われ多少危険だ。暫く考えた末、後悔したくなかったので思い切ってテトラに渡った。ウネリが 強い沖に向かってジグを打ち込むがチェイスすらない。午前中にライズがあったのは岸から20m程の所 ばかりであった事を思い出し岸と平行にキャスト、水面直下をトゥイッチングしてリトリーブした数秒後、 ドラマは突然やってきた。ロッドに重みを感じた瞬間、反射的にアワセをくれた。「ゴンゴン」と首を振る 相手は確実に50cmオーバーのアメマスだと直感した。その瞬間、昨日のことが頭を過ぎり、3度思いっきり アワセを入れ、ガッチリフッキングさせた。その後は難なく足下まで寄せ、近くに居た後藤君に合図をして タモを用意してもらう。昨日はここでバラしてしまったが同じ失敗はしたくない、わざとラインを出し ラインテンションをバレ難い角度に保って、ヤツを水面に出さない様に気を使って後藤君がランディング 体制に入るまで待った。タモに頭を向けようやくランディング、ヤッタ!思わず二人でガッツポーズ。 腰まで浸かって岸に戻ってサイズを計ったところ64cmもあるアメマス。思わず握手を交わした。共に 喜んでくれる仲間が居ることが何より嬉しい。写真を急いで撮って、JGFAの記録申請の為、一人行き つけの新城釣具店を目指した。正式検量の結果、2.52kg、8lbラインクラス&オールタックル 日本記録であった。 |
![]() 更なる大物を求めて挑戦は続く |
20lbで釣った1.32kg(53cm)のアメマスは既にJGFAから記録認定の 通知を受けている。一方、8lbラインクラスの2.52kg(64cm)は現在記録申請中であるので、 現時点での記録は北海道島牧村で釣られた2.20kgである。この2.52kgのアメマスが記録認定 されれば、海アメの元祖、島牧を差し置いてオールタックル日本記録が青森県へやってくることになる。 但し、あくまでJGFA会員という狭い範囲での記録であり、実際には90cmを越えるアメマスがゲット されているのは北海道だけである。海にはアメマスの回遊を妨げる壁はない以上、ここ青森でも釣れる 可能性はあると信じてシーズン終盤まで自分自身の記録に挑戦していきたい。 |