The 22th Demolition/Titan −巨神−

ストーリー ★★★★☆   コスプレ  ★★☆☆☆  今週のアイキャッチ  イラスト きむらひでふみ
アクション ★★☆☆☆   萌え度   ★★☆☆☆  
 アールヴ/ドヴェルグ
(五段評価)                               
                        
今回1番心に残ったキャラ シュバリエ
第22話の名台詞
 
僕は、あなたを母と呼びたかった。ずっと…

第20話“巨神”は、前話の直後からはじまっています。世界名作劇場なら感動の親子の対面ということでフィナーレを迎えるところですね。
第5話でエクレールが歌っていた子守歌の秘密と、シュバリエとの過去が明らかにされました。

完全に敵役と成り果てたアールヴとドヴェルグですが、彼女達の登場が唐突すぎて説明不足だったのが残念です。ノーヴルズに雇われていたは
ずなのに、簡単に裏切ることができるとは……Dコマンドのような措置はされなかったのでしょうか? アールヴとドヴェルグが親子という設
定も驚きでした。姉妹ならありえる話だったのですが、ESメンバーの年齢は外見で判断できないので誰も予測できなかったでしょうね。娘で
あるアールヴの暴走で母親のドヴェルグがどうゆう行動にでるのか今後注目です。

第22話のタイトルの意味ですが、Demolitionとは「破壊」、「打破」。Titanとは「巨人」を意味します。
破壊の巨人/打破された巨人の二通りの見方があります。前話では「方舟」に例えられていたデュカリオンですが、シュバリエによって、全銀
河に破壊をもたらす舟であることが明らかにされました。そして、舟はその姿を巨人にかえます。もうひとつの見方が粒子に分解され、デュカ
リオンのエネルギーに転換されたアールヴ。《アブゾーブ》の能力をもつ彼女とノーヴルズに対する復讐心の強さがデュカリオンからの制御を
打破し、デュカリオンの全システムを吸収・一体化することに成功したことによって、破壊をもたらす巨人へとかわりました。

アトラス型島宇宙間航行宇宙船の姿 今こそ復讐を果たす時。対決シュバリエ 〜巨神〜デュカリオンテラフォームモード

前回の予告を今話にあてはめてみましょう

大いなる力を振るう者〜
 大いなる力とはデュカリオンのことですね。物語の始めではこの力を操るのはシュバリエでした。そして、ラストではアールヴがその力を手
 に入れています
人の目に映った姿は〜
 デュカリオンの姿を人々は目にします。まずは、島宇宙間航行宇宙船としての姿、そして、変形したテラフォームモードの姿。これこそが真
 の姿であることを人々は知る
「神」か「悪魔」か〜
 巨神の姿をしたデュカリオン。「神」の使い手としてノーヴルズの支配体型を崩壊させようとしたシュバリエと「悪魔」の使い手としてノー
 ヴルズに復讐しようとするアールヴ。ノーヴルズにとっては「神」の存在であったデュカリオンなのですが、全銀河を裏切る動かぬ証拠とな
 ってしまいました。そして、アールヴによってその存在は「悪魔」になろうとしています
だが、その心を知る者はいない
 シュバリエの行動の意図が分からなかったエクレール。すべては母を救う為。シュバリエ50年間思い続けた願いをエクレールは初めて知る
 ことになります

心に傷を負ったエクレールの救いは… 本当はあなたの母になりたかった…

デュカリオン計画についてみてみましょう。
ノーヴルズ以外の一般市民がデュカリオンに対する認識ですが、デュカリオンとは惑星改造、開発を主目的とした宇宙船でした。銀河系から外
島宇宙へも遠征を可能とすることで資源惑星の探索にも注目されていました。惑星のテラフォーミング(人類の居住に適した環境へと調整する
惑星改造)については第14話の冒頭で説明があり、この作業を迅速に行える機能を有した宇宙船がデュカリオンである。
実際にノーヴルズが行おうとしたデュカリオン計画とは、銀河社会の物理/情砲ネットワークを破壊し、地球とノーヴルズの一族を別銀河に移
送することでした。第11話で、ノーヴルズが支配していた惑星アウレーが庶民によって自治権を奪われたことに象徴されるように、ノーヴル
ズの支配体制に揺らぎがでていましたね。

シュバリエ=ドートリッシュを育てたエクレール。第10話の自身の回想シーンと第20話のリュミエールの回想シーンから、エクレールはG
OTTの命令により、惑星を崩壊させ、何十億の市民の命を奪ってしまいました。(惑星オルトロスの災害)。大規模宇宙戦争を回避する為と
はいえ、エクレールには戦争とは無関係の人達の命を奪うことは耐えられなかったのでしょうね。この任務の後、彼女は精神障害を起こしてG
OTTの任務から外れることになりました。療養中の彼女に最適な治療として与えられたのが幼児との触れあいだったんです。孤児の男の子(
シュバリエ)を育てながら共に過ごした5年間があったからこそエクレールは精神的にも安定することができました。ただ、母としてではなく
育児資格をもった女性として接していたことから、近い将来ESメンバーとして復職しなければならず、シュバリエとも別れなければならない
ことを覚悟してました。幸いなことに(?)孤児であったシュバリエの身元が判明し、生まれが純潔種族ノーヴルズと判明したことから、急き
ょ引き取られることになったのですが、シュバリエは自分を育ててくれた「母」のことを忘れませんでした。GOTT長官となり、エクレール
を救おうとしたシュバリエ。デュカリオン計画の全貌を知った彼は、デュカリオンの完成と同時に全ての陰謀を暴こうと、ノーヴルズの利権に
絡む陰謀に加担してきたのですね。

ノーヴルズ対シュバリエ&エクレールの戦いでノーヴルズが造りだした最強のESメンバーの登場もあるかなと思いきや、伏兵アールヴによっ
て事態が急変しました。最後の敵はアールヴ? さぁラスト2話です。

次回第23話は −還元−  GOTTESメンバーが勢揃い。第19話で旅立ったあのヒロイン達も…。SFアクションストーリー全開です
             アールヴ、あんたの仕事はいつも下品ね(ミレイユ・ブーケ風にね)

今話の気になるセリフ集(ストーリーに合わせて掲載いたしております)
キャラクター セリフ 解説&コメント
リュミエール 私、貴女のパートナーですから 局長室を飛び出したエクレール。リュミエールは彼女がデュカリオンのもとへ行くこうとしていることを察知したんでしょうね。第11話でも、リュミエールは命令違反したエクレールにこのセリフをいってました。エクレール1人を危険な目にあわせたくないとする気持ちが強くこめられています 
エクリール 意地っぱり 第20話で特殊能力を失ったリュミエール。危険な所に連れていきたくなかったエクレールですが、無理をしてもリュミエールは必ず後を追うにちがいない。そこまで自分のことを想うパートナーを置いてはいけない。手を差し伸べたエクレール、言葉とは裏腹にとても嬉しそうでした
リュミエール ええ。「彼」の舟。そして「彼」の鎧ですわ 「彼」とは、GOTT長官シュバリエ・ドートリッシュのことです。デュカリオンが彼の手によって始動したことはすでに連絡済みのようですね。そして、局長室から姿を消したアームブラスト。彼は一体何処へ?
シュバリエ エクレール…やはり来てくれたね デュカリオンを乗っ取った彼がワープした先はアイネアースでした。彼の目的がエクレールに会う為だったんてせすね
エクレール シュバリエ…シュバリエ・ドートリッシュ、どうしてあなたが、こんな… 「こんなことをするの…」とエクレールは言いたかったのでしょうね。今までエクレールがシュバリエと話したシーンは一度もありません。にもかかわらず彼のことをよく知っているような言い方です
アールヴ さすがに中枢部の警備システムは格段の厳しさだな 今までアールヴとドヴェルグの侵入に気がつかなかったのでしょうか? 強行突破で辿り着いたのではなく隠密に行動していたのかな
アールヴ ノーヴルズじゃない…この「私」の判断だ 前話でのアールヴ達の立場はノーヴルズに雇われたESメンバーでした。今現れた二人はノーヴルズのメッセンジャーではありません
ドヴェルグ アールヴ、もはやここまできたら、無駄な人殺しをする必要もあるまい アールヴにこれ以上人殺しをさせたくない。彼女の暴走を少しでも止めたいとする気持ちがドヴェルグのなかにはあるのでしょうね
シュバリエ 自分の母親と知っていて撃つのか! ドヴェルグを撃ったアールヴ。目的の為にはパートナーの命をも奪う。そして、アールヴのパートナーであるドヴェルグは自分の母親でした。撃たれたドヴェルグですが、アールヴのされるままになっていたことからアールヴの望むとおりにさせてきた事がわかります
シュバリエ なんでも喰らう能力か…。「餓鬼」め。始末に負えんな 「なんでも喰らう能力」とは《アブゾーブ》のことですね。「餓鬼」とは戒律の悪業の報いとして餓鬼道に落ちた亡者。即ち。裏切り行為を繰り返し、自分の母親にまで手をかけるまで落ちぶれたアールヴの姿を意味するのと同時に、子供をいやしんでいう意味から、アールヴの振る舞いは子供そのものという意味をかけた表現です。いつも冷静なシュバリエが怒りを露にしています 
ドヴェルグ ア、アールヴ… アールヴ(自分の娘)に銃で撃たれたにもかかわらず、安否を気遣うドヴェルグに親子愛を感じます 
アールヴ こんなっ! こんなぁ〜! 粒子に分解され、デュカリオンのエネルギーに変換されようとしている。自身の《アブゾーブ》の能力でも分解する力を吸収することはできない…結果己の死を招くだけになる。自分の能力に負けたのですね、アールヴは…
シュバリエ ああ…もう、半世紀も待ち続けているんだ。その時をね… 現在シュバリエは56歳。50年近く彼が待ち望んだものとは、エクレールに関係していそうですね。ドヴェルグに対し、無防備に背を向けていることから、ドヴェルグは味方ではないにしろ、命を奪う相手ではないと確信しているようです
リュミエール ドートリッシュ長官、GOTTのESメンバーの権限において、あなたを星間犯罪者として告発します こうやって犯人逮捕をするシーンって第8話ぶりですね(笑)  
シュバリエ 317じゃない…。優に8万を越える犯罪行為をしてきたはずだよ。これまでの間にね 8万に及ぶ犯罪行為…。そのすべてがノーヴルズの利権に絡んできたのでしょうね。戦争で多くの命を奪った者が英雄になるのと同じく、シュバリエの犯罪行為の多さが、彼をノーヴルズの中でも彼を有能とし、デュカリオン計画をすすめさしたといえるでしょう
シュバリエ エクレール…。あなたを救いたかった… 自らの罪を世間に公表したシュバリエ。彼が最初に登場したのは第8話でした。当時は黒幕かと思っていただけに彼の真意は今の今まで分かりませんでした
エクレール おぼえていたの? このわたしを 第12話で封印していた記憶が甦ったエクレール。この伏線がここでもいきていました。エクレールは過去にシュバリエと出会っていた…。そしてその記憶はシュバリエから忘れ去られているはずの記憶。彼の言葉でエクレールはシュバリエが過去の記憶を失っていないことに気づきました
エクレール なにがGOTTよっ なにが宇宙惑星連合よ。わたし、わたしはもう… 第10話のエクレールの記憶の中のシーンで登場したエクレールです。赤ん坊をあやすエクレールの伏線がここで明らかになります。ESメンバーとして任務を遂行したくないといった様子のエクレールの表情はとてもつらそうです
エクレール お母さんじゃないわ。いつもいっているでしょ、エクレールって呼んでって エクレールが自分が育てた子を母と呼ばせないのは、いつか別れがくることが分かっているから。ESメンバーである限り、共に生きていくことができないと分かっているからなのかもしれない
エクレール あなたはいつかわたしを忘れていってしまう… 母として接していられるのも今だけ…。ふたりはいつか離れ離れになることを覚悟しています
エクレール 地球人だったんだから…ノーヴルズだってわかったんだから… 以外なかたちで別れ離れになることになった二人。ノーヴルズは皆幸せになる権利が与えているということからも庶民との違いがでています。泣き崩れるエクレール…自分が育てた子供との別れは強制的なものであったにちがいありません。ノーヴルズである以上一般人と暮らすことは許されないことだったんでしょうねぇ
シュバリエ エクレール、僕は忘れない。絶対に忘れない。あなたを守れるだけの強い大人になって、いつか…いつかきっと ノーヴルズによって引きf離された母への想いをシュバリエは忘れなかったんですね。いつかきっとあなたを救い、母と呼ぶ。そう言いたかったのだと思います
シュバリエ 僕は、あなたを母と呼びたかった。ずっと… 彼は子供の心をもったまま大人になったんですね。本作品のタイトルの意味にも準じていそうです。彼にとってエクレールはまぎれもない母です
エクレール 撃てるわけがない…。あなたにそこまでさせてしまったのは、私…ごめんね、シュバリエ。ごめんね… エクレールが自分の左腕を銃で射ち抜いたのは、シュバリエに対して謝る気持ちと、シュバリエにここまでさせた自分自身が許せなかった為。50年前に止まった二人の時間が再び動き出しています 
アールヴ はっはっはっはっ。なかなか笑える三文芝居だった。それは木戸銭がわりだ 木戸銭というのは、興行物見物のため、に払う料金のこと。粒子に分解され、デュカリオンのエネルギーとなったアールヴでしたが、デュカリオンそのものとなって復活です。親子の愛など、なんとも思っていないアールヴにとってシュバリエとエクレールとのやりとりは滑稽な見せ物にすぎないのでしょうね