不吉川高校!
まにあっく調査倶楽部


《 前回までのあらすじ 》

もうみんな忘れてると思うから、第2部はじめちゃうネ!


第2部 魔界トンネル開放・編


 ――― その一 【 誘い 】 ―――――


真夏の日差しは、今日も絶好調だった。
日本のどっかにあるっていう闇鍋市って街は、このところ、オカシイくらいに暑い。
県立・不吉川高校の通学路を歩く高校生・大惨地ひげきの足取りは激!重かった…。

「宿題やってねぇし、朝飯きのうの残りだし」

朝イチのネガティヴ発言が、ひげきの口から流れ出た。
そして、そんな ひげき の後ろから、もっとネガティヴな声が聞こえてくる…。

「……食えるだけマシさ…」
「んぅぃ?」

すんげーだるそうに、ひげき は振り向いた。
そこにおわすは、もちろん ひげき の先輩にしてマニアック調査倶楽部・部長、三途川わたる であった。
彼は、うつむき加減で語りはじめた。
なにをって…、悲しき今朝の出来事を……。
      しょうゆ
「今朝も醤油が……」
「いいっす。言わなくて結構ッス」

ここんとこ、毎朝「母さん醤油きらして、父さんブチ切れ、食卓・崩壊事件」の話を聞かされていた ひげき は、うんざりした顔で先輩のはなしをSTOPさせた。

「先週の金曜から5連チャンっす。もう聞き飽きたッス」
「…父さんがさ……怒り心頭でテーブルをさぁ……」
「さんざっぱら聞いたっ酢!!」

無理にでも聞かせようとする三途川先輩の横暴さに、キレた ひげき の語気は荒い。

「キツイお酢は、さよならッス……」

すっかり壊れた ひげき だったが、次の瞬間、急に眼を光らせた。そして、あるものに向かってダッシュした。

「百円み〜っけ!」

道端に落ちた百円を見つけたようだ。目にも止まらぬ速さで硬貨を拾い上げると、ひげきは奇声を発して狂喜した。現金な奴よの。
そんな彼に、三途川先輩が声をかけた。
                 てんとさま
「やめないか、ひげき! お天道様がみてらっしゃる! 交番に届けなさい!」

こうして今日も日本は平和なのよ。


つづく?
御伽の間に戻るぅ〜