読売新聞 昭和20年4月17日 火曜日
単機よく五機撃墜破 輝く武勲A曹長 三十分の神技 飛燕隊に凱歌高し 【某基地にて沢本特派員発】 01.9.24


 十四日未明、わが飛燕隊に高らかにあがった凱歌さめやらぬ十五日夜、またしても敵は単機、または少数機をもって帝都を波状的に盲爆した。必勝の闘魂燃える飛燕隊の勇士は、この夜二十二時から十六日午前一時過ぎまでの帝都及び横浜上空の邀撃戦闘でB29四機撃墜、七機撃破の戦果をあげ、悠々全機無事帰還した。この夜過般の邀撃戦で左足に傷つき病院で治療中の編隊長が基地に駆けつけ戦闘指揮に努め、突風隊曹長はこの戦闘で三機を撃墜、二機を撃破している。

突風隊長
大尉は
 「
曹長は外出中、戦闘開始の命下り既に飛立とうとしているところへ飛込んで来て飛行服を着る暇もないので外出着のまま邀撃戦に参加、僅か三十五分間に三機撃墜、二機を撃破したのです。その技術と敢闘精神によるものです」
と戦果を讃へている。また
曹長は
 「帝都と横浜の上空で敵機を捕捉したので真正面からかんかん打込んだが、敵は少しも撃って来なかったので愛機に一つの弾痕もなく余り面白い戦闘ではなかった。敵は弾丸の持合せがなかったのかもしれない」
とその武勲を誇らずたんたんと語るのだった。
 
曹長は他の撃墜破を加へると七機撃墜、七機を撃破している。千葉県東葛飾郡土村の出身。

 
中尉は二機を撃墜、弾丸尽きて最後に体当りして一機を撃墜無事生還。また中尉は一機を撃破しさらに体当りにより一機を撃墜、微傷を負ったのみで生還した。
 以下勇士の戦果=
中尉、軍曹各二機撃墜。大尉一機撃墜三機撃破、准尉二機撃墜、一機撃破。


新聞記事と244戦隊へ戻る