朝日新聞 昭和20年2月20日 (火)
B29撃墜破百機 飛燕部隊輝く記録 【某基地にて山崎同盟特派員発】 03.1.22


 またまた飛燕部隊に一機撃墜六機撃破の赫々たる戦果があがった。この日の邀撃戦で、B29が来襲してから実にこの飛燕部隊は撃墜破百機の未曾有の戦果を記録したのである。

 帝都新宿附近上空の戦闘で見事B29を撃墜した
N伍長は、攻撃後エンジンに故障を起こした愛機をたくみに操って○○に胴体着陸を強行した後、自分が撃墜した敵機の醜骸をその現場に急行、自ら確認して「ざまあ見やがれ」と、ばらばらになった残骸の黒焦げになった敵兵尻目に意気揚々と引揚げて来たN伍長が語る撃墜戦記である。

 十四時五十分頃だと思ふ、帝都上空で第一目標の編隊から離脱した高度八千程度の敵一機を発見、他の友軍機より高度にいた関係から自分一人がこの敵機に思ふ存分接敵攻撃をかけた。はじめは真上から約三十メートル位まで近接、敵の機首を目掛けて連続集中攻撃をかけた。敵は自分の猛射でものすごい黒煙を吐いたが小癪にも消火してしまった。自分はこの往生際の悪い奴めと直ちに反転して、また前回と同様機首を目がけた第二回の直上攻撃をかけた。この第二撃で敵はがくりと機首と機体とがふっ飛んだ。そのまま直角に地上目がけて墜落して行った。


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