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-気がついたら病室だった。
左腕が固定されている。
折れていると直感で分かる。
全く自分の意思では動かせないからだ。
とりあえずは生きているようだ-
・・・ん?
レナは?
-左腕以外は軽症のようだが、
どうやら個室にいるようだ。
他には誰もいない-
ディルは目が覚めたときには
すでに動けるぐらいの状態であった。
外に出るとまずは病室を確認する。
『205か』
すると隣の206号室がレナの病室になっていた。
案の定、反対の203号室は空いていたが
その横の202号室にはラウドになっていた。
ディルは206号室に立つとノックをする。
『ん?ちょっとまって』
レナは何かをしているようであるが
少しして
『どうぞ』
その声でディルはドアを開けた。
『あ!ディル!
生きてたんだぁ・・・。
よかったぁ』
ディルの姿を見たレナは突然泣き出した。
-俺はこういう状況が苦手だ。
特にレナを見ると嫌でもクレセアのことを思い出してしまう。
こういうときはどうすればいいかなんて何にも思いつかない-
『ご、ごめん。
なんか急に一人じゃないと分かったらうれしくなって・・・』
レナはディルよりは重症であった。
どうやら左肩と右足を痛めているようである。
『ラウドも大丈夫のようだ』
レナはまた少しうれしそうな顔をしたが
自分の声のトーンが落ちたことで
レナが再び心配そうな顔をしているのが分かった。
トーンが落ちたのも、ディルにはある決意があったからである。
『レナはS・D症を直したいんだろ?』
突然のディルの言葉にレナは驚きの顔をした。
ディルにとってみれば
レナを守れなかったことが
過去のクレセアのことと重なっていたのだった。
『今回のお詫びだよ。
結局はレナにも死の間際まで付き合わせることになってしまった。
・・・。
俺はこれからノイズに行こうと思ってる。
レナもくるか?』
レナは少し考えたような顔をしたが、うなづいた。
『でも急にどうしたの?
別にあの状況ならしょうがないよ。
生きてただけラッキーと思わないと』
レナは意外なほどに明るく振舞っていた。
ディルには以前のクレセアのことや、S・D症のことを含めて
このレナの明るさには疑問的なところがあった。
『まぁ、お詫びというのは
俺が勝手に決めた事だから気にしないでもいいよ。
ただ、俺がログスとして生まれてきたことの使命だと思っただけさ。
あの家に帰るのは癪だけど
今の俺だけじゃS・D症は治せないしな』
それを聞いてもレナは難しい顔をしていたが
すぐに笑顔になった。
『私も次はノイズに行こうと思ってたしね。
ディルが来てくれるなら
これほどありがたいことはないよ〜
と、早く私も怪我を治さないとなァ』
そう言うと右拳を真上にかざした。
レナの今の状態でのうれしさの表現の表し方だったのだろう。
ディルはそう考えた。
『今はゆっくり休んでいろ。
俺はラウドのところにもいってくる』
そう言うとディルは部屋を出た。
-レナには悪いが
俺は早くレナと離れたい。
それともこれはクレセアに対する罰なのだろうか・・・-
ディルはそう考えながら202号室に向かっていった。
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