四葉SS「The First」(後編)

四葉SS2


部屋に戻った四葉は一人で泣き続けていた。
「兄チャマのバカ、バカ・・・うぅ・・・」
「どうして・・・どうして咲耶ちゃんと・・・」
あの瞬間を思い出すと、さらに涙が込み上げてくる
「・・・なんで」
「なんで探偵になろうと思ったんだろう・・・」
「こうなる事は分かっていたのに・・・」
四葉の記憶が休息に過去へとさかのぼっていく・・・


「四葉にはお兄ちゃんがいるんだよ」
「え!?本当!?」
(そう、私はロンドンに居た頃にはじめて兄チャマが居る事を知らされたんだ)
「四葉はお兄ちゃんがどんな人なら嬉しいのかな?」
「すっごく、すっごくやさしいひと!」
(ああ・・・)
幼い頃の四葉がピョンピョンと飛び跳ねて喜んでいる
(あんなに無邪気に喜んでたんだなぁ・・・)
「そういえば、お兄ちゃんには四葉のほかに11人の妹がいるといっていたなぁ・・・」
「え!?そうなの!?じゅあ、じゃあ・・・私は誰よりもお兄ちゃんのことを知ってる人になりたいなぁ・・・」
(そうか・・・)
「ははは・・・じゃあ四葉は探偵にならなくちゃいけないなぁ・・・」
そういって、おじさんが四葉の頭をなでる
「探偵さん?」
四葉はきょとんとした目でおじさんを見る
「はは、探偵は人のことをたくさん知ってる凄い人なんですよ」
「わぁ、凄い!!四葉も探偵さんになるの、そしてお兄ちゃんのことなんでも知ってる妹になるの」
(この時なんだ・・・)


うずくまった四葉
「分かってたじゃない・・・こうなる事は」
もう一度同じ言葉を繰り返す・・・
「兄チャマの事を何でも知ろうとすれば・・・知りたくないことだって知ってしまうって事は・・・」
涙が零れる
「どうして・・・どうして・・・」
「探偵なんて・・・ならなければよかった・・・」


『ダンダンダン!!』
「!」
ドアを叩く音で四葉は我に帰った
「四葉!四葉!どおしたっていうんだい、突然走り出したりして」
(兄チャマ・・・)
「今は兄チャマには会いたくないの、お願い帰って・・・」
自分でも信じられないほど、酷い事を言ってしまったと思った。
「そういうわけにはいかないよ!四葉、訳を聞かせてくれよ」
「・・・」
(兄チャマ、兄チャマ・・・)
『ガチャ!』
四葉はカギを開けた。
「ありがとう四葉」
兄を目の前にしても四葉は前を向こうとはしなかった。泣いている自分を見られたくなかったから・・・
「それにしてもどおしたんだい四葉?僕を見るなりいきなり走って言っちゃうんだもん」
(兄チャマは気付いてないの?)
「あ、あの四葉、見ちゃったんデス」
四葉は意を決して口を開いた。
「え?何を」
「四葉見ちゃったんデス。兄チャマと咲耶ちゃんが・・・」
四葉は兄のほうを向く
「キスをしてるところを!!」
きっと今じぶんは酷い顔をしているだろう、でも言わなければ
「よ、四葉それは・・・」
「兄チャマ、言い訳しないで!!」
兄の言葉をさえぎる
「酷いよ、酷いよ兄チャマ・・・だってだって、兄チャマのファーストキスを奪うのが、四葉の夢だったのに!!」
そういって四葉は泣き崩れてしまう
そんな四葉の頭を優しくなでながら、兄が口を開く
「ゴメンよ、四葉、辛い思いをさせて・・・」
「兄チャマ・・・」
涙で潤んだ目で兄の顔を見る
「でもね、四葉・・・信じてくれ、僕は咲耶とキスなんかしてないよ・・・」
「でも・・・」
まだ、兄の言葉が信じられない四葉が反論んしようとする
「聞いてくれ四葉、あれは、咲耶の熱を測ってただけなんだよ」
「え!?」
四葉はビックリして聞き返す
「帰り道咲耶にあったときに、咲耶が何だか、苦しそうな顔をしてたから・・・それで、つい、雛子とかにしてるのと同じように
おでこで熱を測っちゃったんだ」
「じゃ、じゃあ咲耶ちゃんの頬が赤かったのも」
「うん、熱のせいだよ」
「そ、そんな・・・」
(確かにあの時私は兄チャマと咲耶ちゃんがキスしてるところなんてハッキリとは見てなかった・・・)
四葉があの時のことを色々思い出すと、すべてつじつまが合う気がした。それに・・・
(とってもやさしい兄チャマが四葉に嘘なんかつくわけ無いよね)
「四葉は探偵失格デス」
ペロッと舌を出してちょっとおどけた感じで四葉は言った。


「それにしても、ゴメンな四葉、誤解させるような事しちゃって・・・」
兄は本当に申し訳なさそうな顔をしている
「いいっデスいいデス、兄チャマは全然悪くないデス!かってに突っ走っちゃった四葉が悪いんデス」
「でも・・・」
うぅ〜ん、と兄は考え込む、と、何かをひらめいたように手をポンと叩いた。
「じゃあお詫びに四葉にプレゼントを上げるよ」
「チェキ?そんなの良いチェキよ」
「いいからいいから、さ、目を閉じて」
しばらく考え込んでた四葉も言われるままに目を閉じた
「じゃあプレゼントを渡すよ」
『チュッ!』
四葉の唇に兄の唇が重なる
「チェ、チェキ!!」
四葉は驚いて飛び上がる
「はは、僕のファーストキスは四葉にあげるよ」
「ええ!?兄チャマほんとに四葉でよかったデスか」
四葉は少ししどろもどろになりながら兄いに問い掛けた
「うん、だって・・・僕が一番すきなのは・・・四葉だから・・・」
いって兄は照れくさそうに頭をかく
「あ、ああ、あああ」
四葉もいっきに頬が真っ赤に染まる
そして、兄に飛びついて一言こう告げた
「四葉も、兄チャマの事がダーーーーーイ好きです!!」
兄はキュッと四葉を抱きしめて
「ありがとう」
と、微笑む
「あ、そうだ四葉、これ」
兄はゴソゴソとポケットの中を探って、取り出した物を四葉の前に差し出した。
「兄チャマ、コレは!?」
そこには可愛いピンクのリボンが付いた虫眼鏡があった
「四葉の愛用の虫眼鏡さっき落として割っちゃっただろ?だから、新しいのをと思って・・・」
「うわぁ、兄チャマありがとうデス」
「あ〜、四葉にはいつまでも僕もチェキしてて欲しいから」
頬を赤らめて兄が言う
「へへへ・・・よ〜し、四葉、兄チャマと結婚して、いつまでも兄チャマをチェキしちゃうデス!」
「あははは・・・」
二人の笑い声はいつまでも続いていく幸せをあらわしているようだった・・・

(HAPPY END)

あとがき→久しぶりの新作で、うでが落ちてないか心配です(汗)
しかし、暗い感じの四葉を書くのは大変でしたよ〜
普段明るいキャラだけに、暗いとこは想像しにくくて・・・(汗)
でも、今回も楽しくかけました。次回作にも期待しててやってくださいね(汗)

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