ヨーグルト 2

 ドラッグ・ストアの店先に5箱ひと包みのティッシュ・ペーパーが山積みされ「本日、178円お一人様一個限り!」とある、近くの店の値札は「198円」のままである、これが一週間前には「278円」の値札だったはずだからちょっと考え込んでしまう・・・利益を出すには原価はいくら?、 なの!?

   ガチャガチャと音を立てながら早朝に牛乳配達が届けてくれた頃のヨーグルトは美味しい物ではなかった様な覚えがある。牛乳瓶の半分ほどの小さな ガラス瓶に入っているそれはボール紙の栓を外すと中身は純白でプリプリという感じで固形に近く、甘みは無くて酸っぱく、 独特の臭みがちょっとあり・・・子供の頃の思い出では食卓やおやつに頻繁に出て来る代物ではなかったような気がする。

 それが次第に甘みやフルーツ味などが付けられて美味しい食べ物の部類に加わるようになり、世界中の長寿村の秘密はヨーグルトを沢山食べていることだ、という情報も加わって一気に健康食品の大切なアイテムにのし上がってきたようだ。
 旅先のホテルの朝食にしても、大きなボールにたっぷりとプレーン・ヨーグルトが盛り付けられ、そばには色々なジャムが並べられてお好み味をチョイス出来る様になっている、このほかフルーツを加えてあるカップ物が積み上げられていたり、近頃では国内・海外ともに例外が無いほどになっている。

 我が家の朝食でもいつの頃からか必須の献立としてプレーン・ヨーグルトがテーブルに並んでいる、トッピングはさまざまだけれどイチゴ、ブルーベリー・ジャム、オレンジ・マーマレードなどのポピュラーなものから、最近はカミさんが摺り黒ゴマと 黄な粉、蜂蜜を加えて楽しんでいるようだ・・・まだ小生は試してはいないが、もっと元気になろうということだろう。

 なので冷蔵庫には常に幾パックか入っているが、カミさんが時折ぼやくのがスーパーの店頭価格、ある日はいつもは178円くらいなのに「240円だったから買うのをやめてきた」、とか「今日はいくらだったと思う?・・・128円だったのよ!」といくつかのパックをうれしげに冷蔵庫へ収める。
 スーパーの客寄せ特売商品だとしてもこの日々の値札変更では異常な値幅変動ではないだろうか、消費する立場では安いことは良いことではあっても、生鮮食品である反対側に生産農家があることを考えれば、いったい原価はいかほどのものか?考え込み、高ければ「どうしてそんな に儲けるの?」と商店を恨むだろう、安値では生産農家には一体どれほどの利益が残るのかが心配になってくる。

 牛舎でもぐもぐとえさを噛みミルクを絞られる、おとなしくて、可愛い乳牛たちの姿を思い浮かべれば、小生の健康を支え、長生きに貢献してくれている牛さん達の幸せについても考え込んでしまう。

(2010)
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