やきうどん

 秋たけなわの先頃、紅葉を訪ねて少し遠出をしてみた。 
素晴らしい晴天となったお陰で期待を何倍も上回る錦秋の風景を目の当たりにして、 思わず感嘆のため息が出てしまったほどの素晴らしさだった。

 河童橋はさすがに上高地の中心地だけあって銀座並の混雑を呈していたのと、いささか ここには場違いに思える和服姿のご夫人が散策していたりしてチョッピリびっくりしたが、 そこから6〜7キロくらい梓川を遡った辺りまで行くと、さすがに人影もまばらとなり 紅葉を裾にまとった北アルプスの岩山は晴れ晴れとした雄姿を見せていた。

  この旅では合計20キロ以上も歩いたはずだったけれども、帰京するなり友人との久し振りのゴルフとなった。
まだ東京近辺では紅葉見物は早いがこの日も雲一つない好天に恵まれて結局ワンハーフのプレイをしてしまった。

 さて、このコースの昼時には最近「海鮮やきうどん」を注文する客が多く、どのテーブルでも 必ず注文する人がいるらしい。理由の第一は、旨い上に結構量もある、エビ、いか、はしら、 そのほか海のものがどっさり入った単なるやきうどんなのだが・・・
理由の第二は値段が安い、まだ1000円である。このゴルフ場のメニューは他のコースの 食堂メニューに較べると安めの値段設定をしていると思っているが、時折りメニューが細かく 入れ替わり、つれて人気の品も移り変わる。
よく見るとその都度何となく一部のメニューの値段が細かい数字で値上がりしているのである。

 そして今では950円のカレーライス、ざる蕎麦などが僅かに1000円以下で残っているだけだ。
支配人いわく、「個別に少しずつ値段を変えて行くのがコツらしいですね」とのこと、それにしても あまりして欲しくないものである。

 <デフレなど、考えもしなかった頃のお話>

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