うなぎ と そばつゆ

 ある日東名、名神高速道を西に向かって車を転がしてゆく事になった。
午前に都内を出発したので昼頃は浜名湖辺りかと思いながら 梅雨の中休みの晴れ間を 西に向かって行った。
茶畑の真ん中にあるパーキングエリアでは「新茶をどうぞ」とのサービス、さすがにこの時期 ここでは不味い茶もだせまい、思いもよらぬ上等な味の煎茶を頂いた。

 新幹線の車中でも、高速道路でもそうだが浜名湖に近づくと「ウナギの蒲焼」となる。ウナギについては良く言われることだが、江戸前の「ウナギ」と関西の「マムシ」とでは、ひらき方、焼き方などが随分と違うそうだ。しかし、中部地方でもまた違っていて、専用の刃物すら、東、中、西と違うそうである。
だが、どちらが好みかは個人の問題、この比率は多分定かではなかろう。
 

 道中を西に向かって行くとメニューに登場する「そば」の比率が次第に少なくなり、また、 つゆはだんだんと甘味を増してくるように思う。
そばつゆに限れば、江戸前のカツオだし、関西の昆布だしと大元から違っているのだから、 味付けだってそれぞれ相応なのだろう。どちらが好みかは、これまた個人の問題だ。

 車でさえ 5時間と少しで京都付近に達することが出来る様になっているのに、まだ味の 世界では東と西ではっきり区別できる。どこが境目なのだ、といわれると知識浅薄な筆者は 正解を申しかねるが、木曽川、長良川、揖斐川が集る辺りで別れるのかな、と思う。

 蛇足ながら。東西の中間、名古屋辺りではウナギは焼き方からなのか、バリバリとした感じ の口当りだし、うどんにはきしめんもあるけれども、八丁味噌を使った煮込みなど結構濃い味 も人気がある。

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