しゅうまい 先日、久し振りに横浜駅の「シュウマイ」を買って帰った。
ほのかに貝柱の香りがするそれは小振りで、一口で食べられ少しも昔と違っていない様に
思えた。
勿論、物がまだ充分でなかった時代の味に較べれば、随分と改良されているに違いない
のだれども、
昔を思い起こさせる様な懐かしさは充分に残っていた。
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東京駅を特急列車が出発すると次の停車駅は横浜である。ホームでは客車の窓を開けて呼び止める乗客相手に首から下げかご一杯にシュウマイを載せた売り子や、赤い中国服のユニホームで娘さん達が販売していた。
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「ピィー」と汽笛が鳴って出発した列車内では早速赤い包みが開けられた、楽しみはシュ
ウマイと共に陶器製の醤油入れで、人気漫画のキャラクターの絵柄もちょいちょい替ってい
て、包みを開ける度に今度は何だろうかと楽しみだったのだ。
その後、特急列車はエアコンの効いた締切り窓の車両となり、更には新幹線開業で駅も
替ってしまい、こうした光景は遠い昔のことと忘れ去られていったけれど、いく度か「シュウ
マイ」は
モデルチェンジをしながら今もなお繁盛を続けている様である。
東京のオフィス街にも馴染みの「シュウマイ」がある。
シュウマイ4ヶ、小スープ、ザーサイそしてお替り自由のご飯がセットの「しゅうまいライス」
には
どれ位お世話になったことだろうか。もう10年以上も値上げになっていないそうだから
立派だが、
その何倍かの年月を経ても少しも味が変わったとは思えない。近頃でも昔の
仕事仲間と昼飯に行くと、
店ではいろいろと趣向を凝らした新しいセット・メニューを並べて
いるが、ついいつもの通りの注文に
落ち着いてしまう「しゅうまいライスを、お願いします。」
同行の彼はシュウマイを6ヶと注文するが、私は4ヶである。
彼が若くて食べ盛りであった頃から腹の虫をそのボリュームが満足させてくれた名残では
ないかと思う。
この店との付き合いはそれ程の昔からである。
考えてみるとシュウマイ・・・普段から結構食べているのだが、店によって随分と違った形や
味である。
好みならば丁寧に吟味しなければならないだろう。
(サラリーマンの昼飯談義)
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