牛肉 九州を旅してきた。最近はネットでのホテル探しが手軽にできるので便利になった。
旅行初日の福岡での所用を済ませて翌日レンタカーを駆って宮崎県の高千穂へ向かった。
高千穂は宮崎県でも最北端で熊本に近い、曲がりくねる長い山道ではあっても道路が良く
整備され、
良くなったといえば車のカーナビは実に便利、「10キロメートル先 道路工事で
交互片道通行になっています!」などと女性の声で予告してくれる。
ルート上の途中には農業用水路の石橋から農閑期には余分な水を川に落としこむので有名な「通潤橋」があり立ち寄った。石橋の前景に
は刈り取りを済ませた稲束が「ハザ」にあり
スケッチにはおあつらえ向き。
だが肝心の橋から落ちる水がない、残念だな思っていると
居合わせた観光客の女性が 「あと5分ほどで水が出るそうです」と教えてくれた。
その刻になると係りが大きな水栓を抜き
、水が勢い良く放物線を描いてれ落ち始めた、
やはりこの水流があってこその石橋だ、感激的な光景が目前に展開された。
聞けば今は水栓を開けるのは有料で、今回は訪れた団体バスのどれかの注文だったらしい、
先ほどの女性はそのツアーの客だったのかもしれない。ともかくお陰様で取って置きの光景に巡り合えてラッキーだったわけだ。 |
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それから県境の峠を越えて高千穂の宿に着いたのは程なくだった。
今夜の宿、小さな民芸風な旅館では照明ライトを点けた一室でなにやら撮影をしていた。
聞けばTVのグルメ旅行番組だそうで有名な俳優ご夫婦の旅日記風らしかった、小生で
もその番組に何回かはチャンネルを合わせたことがある。
さて、夕食タイムになった、囲炉裏を囲んでの夕食膳には岩魚の刺身、紅ます
の塩焼き、
地こんにゃく、地鶏焼きなど地元産の材料を使う美味が並んでいた、竹筒の容れ
物の地芋
グラタンもクリーミーで美味しかった、竹筒は炭のようになって黒く光っていた。
囲炉裏の向かいのご夫婦とTV番組の俳優さん並に 「・・・ん、おいしい!」を
連発しあった
ものだが、中でも陶板で焼いた牛肉(ミニステーキ)は抜群に美味しかった。
こんな旨い肴で地元産のさっぱりした焼酎をゆっくりと飲みたかったが、高千穂神社境内で
開催される
夜神楽見物が後に迫っていてそれは許されなかった。
有名なご当地伝統の夜神楽は幾つもの地区に伝わっていて今でも踊り手が多く、地区毎
に順番にこの
神楽殿で踊り続け、毎晩 欠かすことなく既に40年も続いているとのこと。
単調に聞える囃子も大陸的な容貌の面も、この国の始めの神話を古い形で楽しく
見せてくれた。
同席したTVの旅行番組のクルーも一部始終を撮影していた。
朝食も地鶏卵、まめ、豆腐など地元産の食材が豊富に美味しく、量も適当だったと思う。
「みな美味しかったけれど、ヤッパリ中で一番美味しかったのは夕食の牛肉だね」と感想を
言うと、「宮崎牛は子牛が他所へ行って松坂牛や神戸牛になるんですから(当然!)・・・」と答え
が返ってきた。
旅館の亭主は愉快な話しっぷりで献立や神楽の解説を丁寧にしてくれた。
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高千穂峡はボートや遊歩道からたっぷりと時間をかけて眺めた、天岩の渓谷にも分け入って古代を偲んだ、そこの岩屋で神々が談合をしていたと思えばロマンが伝わってくる。
そしてそのあと 阿蘇、九重、臼杵そして国東半島など神々、仏様の里を訪れる旅が続いた。
ハイブリット車の旅は走行距離660km、ガソリン1ℓ当たりは20km、牛歩ではなくドンドン
進化するカーナビや、車のシステムのエコの実力には驚いた。
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(2008)
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