せんべい 茶色く、丸く、そして香ばしいやつを口に運びバリッと食べる、せんべいや
スルメ
など とても固い。
こんなオヤツを食べていたから歯が丈夫になったのかもしれない。
我々が育ち盛りだった少し昔の光景を思い起こすと、駄菓子屋さんへせんべいを
買いに行くと店先には大きなガラス瓶が幾つか並んでいてそれぞれには
しょうゆ味、
クロゴマをふってある物、品川巻きなどが入っていた。
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海苔を巻いた品川巻きなどは高級品だ、好みを「これ、ちょうだい」と指差すと 店の小母さんははガラス瓶のアルミのふたを取り、中に手を突っ込んでせんべいの枚数を
数えながら紙袋へ入れて渡してくれたものだ 製造元の名前などは要らなかった。
今でも草加せんべいは歯応えのしっかりした懐かしい味である。
江戸の昔を伝える深川や両国にある博物館などへ行くと判るのだけれど、江戸の
長屋住まいには熊さん八っあんのほかに大家さんが登場する。 |
大家さんと言えば店子にとって親も同然と言うけれど、長屋のオーナーではなく
今流に言えば管理人さんのような
仕事も受け持ち、店子の冠婚葬祭にいたるまで知恵を
だし世話をしている、まことに
頼りがいのある存在であったらしい。
長屋には当然ながら厠があり共同の外便所であったらしい、博物館に復元された
長屋にもちゃんとこしらえてあった。
農作物には欠かせない肥料となるそのリサイクルは大変な権利で近在の農家が遥々車を引いて受け取りに来る、その権利の収入も大家さんの重要な収入だったとのこと、
このお陰で長屋の連中の花見だって大家さんの奢りで楽しめたのかも知れない。
さて、肥を受け取る方の農家も行きの江戸までは空荷車である、行きがけの駄賃にと
地元名産のせんべいを積み込んで行き江戸の町々で売り歩いたのだと言う、まことに
庶民的な菓子の代表選手であるとうなずける。
今でも店先の火鉢の前で流れる
汗をぬぐうのももどかしく、一枚一枚を丁寧に焼きながら
商っているせんべい屋さんもある、
店先にはいつも列が出来ている。
せんべいはビスケットなどとは違って虫歯予防にも良いと聞くが、最近のせんべいは
一枚づつ丁寧に包装されているものばかりである、湿らないし、もちろん衛生的である
ことはわかるけれど、なんとなく中身よりも包み紙にお金を払っているような・・・気もして
くる時
だってある、子供の頃には、最も安いオヤツだった気もするけれど・・・
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