せいろ膳
毎朝、雨が降っていなければウオーキングをする、もちろん健康維持のためだけれど、何よりも暖かい寝床から抜け出てして約 5キロの朝の運動に出ようと思い立つ、気力こそ健康のバロメーだと思っているが師走も近いこの頃の出発はまだ表は薄暗い。 ルイに出迎えられて家に上がればインターネットを開き富士山の ライブ映像を見るのも何時ものこと、都の西の富士山がスッキリ見えるときはその日の東京は良い天気だろうという 思い込みもある・・・そして、その日はモニターには秀麗な富士山の姿があった、そこで 箱根辺りからの富士山と紅葉を眺めようと思い立った。 ところで、「ルイ」は小生達の外出の気配を察すると特別の鳴き声や仕草をみせる、「さみしいよ!」とか、「行か ないで」・・・とでも言っているようだ。そして「行ってきます、留守番をよろしく!」を聞くや否や一段と高い声の特別の鳴き声をあげるのだ。「寂しいから出かけては、イヤッ!」とでも言っているかの様だ。そして我々は車で出発したのだが、その日はルイの念力が通じたのかも知れない・・・箱根に近づくにつれて上空にはかなり厚い雲が覆い富士山見物は早くも諦め状態なってしまった、しかし紅葉は箱根湯元から旧道を登るにつれて沿道を包み見事さをまして来るのだった。
元箱根では恩賜箱根公園を久しぶりに訪ねた、幾度となく訪れた箱根山だがこの小さな丘に登 ここは素晴らしいロケーションである、群青色の芦ノ湖、箱根の山々そして雲の空、晴天ならその向うに富士山の雄姿が聳えているものをと、恨めしく
思いながらも案内所で貰ったパンフレットの写真をかざして想像上の富士山を眺めていた。 昼は看板に引かれて街外れ、バス停前のレストランの「せいろ膳」にした。小さなセイロの中にはキャベツが敷かれ、載せて豚肉、鶏肉、たまねぎ、きのこ、かぼちゃ、にんじん、ジャガイモなどが彩りよく収って蒸されている、ごまだれかポン酢を好みに味をつける。蒸してあるから油分を落したさっぱり味、ふかした玉葱やカボチャの甘みも好ましい まことに単純だがヘルシーな食事だった。 紅葉の季節だから週日でも箱根山の道路が混んでいる、しかしそれを避ける道を選べば1時間半もあれば帰宅できる。箱根山を降りれば青空が輝いていた。 (2008) |