サラダ

  野菜については好き嫌いは少ないものと思っていたが、そう簡単に割り切れるもの ではないらしい、現に小生の伯母は明治生まれ満州などの生活を経て戦後に故郷 で生活をするようになってからもさほど野菜に興味を示さなかったという。
  その妹に当たる小生の母はこれに反して野菜を献立から外す事などなかった、それ でも明治生まれ田舎育ちが今時のようにサラダと言えばせいぜいキャベツか、胡瓜に マヨネーズ、あるいはちょっと フレンチドレッシングをかけた位の物だったろうか。

  最近では時たまの絵を描く仲間の若い女性を交えての飲み会など、・・・我々のこう した飲み会ではメニューのうちから夫々の好みのものを注文し、皆でつつくという場合 が多いが・・・健康志向というか、さっぱり好みというか、はたまた明日からの美容を考 えてかサラダの幾種類かが 必ず注文される。

 今どきのこうした客を迎える店ではこんな客の好みを充分に察知しており、いろいろ なサラダ類のメニューに準備されている「ぱりぱりサラダ」「さくさくサラダ」「ポテトサラダ」 「大根サラダ」・・・かける ドレッシングの種類も多彩になっていて 何でもかんでもサラダ になってしまう。
名など覚えきれない、 そしてテ-ブルに並んだサラダ類はどれもが見か けはかさ張っているのだが、レタスや、キャベツなどの葉っぱがこんもりと盛られている ので、何人かの前を通過してくると皿は綺麗になってしまう。

 やはり生野菜は人には欠かせないものなのだろう。
ちょっと余談だけれど我が家の飼い猫の「ルイ」だって生の葉っぱが大好物で普段は魚のカン詰やドライ・フードばかりなのに、季節になると庭に生えてくる草の一種や枝垂れ桜の若葉を夢中で食べることがある、何時もの食事ではビタミンCが不足しているとでも言うのだろうか・・・
 

 先日近くの飲み屋でサラダを注文したところが、やおら板さんはふたが密閉できるプラ スティックの箱に野菜類などの材料を詰め込みドレッシングをかけてふたを閉めてから、 まるでカクテルのシェークのように箱を振ったものである・・・
やがてよくドレッシングが行き渡ったサラダは鉢に入り目の前に並べられた、そして板さん 箱を見せ、曰く「これって一番いいんですよ!」 これを見ていた我がカミさん早速翌朝の 朝食からこのシェークを真似たものである。
  確かに手軽にドレッシングと野菜の味がなじむようである。

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