ラムネ 蝉が鳴いている、夏の日の午後 木陰でついウトウトとしてしまったようだ
。 蝉しぐれ以外の物音といえば、時折吹いてくる風が小枝をゆすって通り過ぎるサヤサヤ
とした音くらいのもの、あぁ、いい気持ちだ! 桜の樹下には吹き抜けで、花ゴザを敷き詰めた小さな茶店
「氷」と染め抜いた小さな幟
は今吹き抜ける風に大きく揺らいでいるが、客も店番もいない店先に氷掻き器はデンと
座ったままである。 少しのあいだ昼寝をしてしまったせいか喉がやけに渇いた 店先にはブリキを張った桶が あって裏山の泉から樋で引いた水がいつも流れていて、その冷たい水で缶詰やトコロテン、 サイダーやジュース 時にはスイカなんかも浮いている。
瓶は結構考えられていて、圧力で封となっていたビー玉が瓶口に戻らないように突起が ノンビリとすごした夏の午後、蝉しぐれが一段と激しくなったのは遠雷が 聞こえたせいだろう か、夕立が来るのか、ヒャッと風が吹き抜けたし、入道雲もぐんと大きく高くなったようだ。
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