柿 柿の木はさくい、竹竿の先に裂け目を入れ
開くように隙間を作った道具を使い柿の実
をもぎとる。
季節になると鳥達は良く知っていて一つ二つとついばんでゆく、庭
先の柿の実くらいなら
鳥達に進呈するのはご愛嬌だが、商売用ともなればそうは行かない。岐阜県の有名な柿の
産地でこの対策が大変であることを知った。何しろムクドリの大群ときたらまるで遠目には蚊柱
のようで、上になり下になり まるで空に渦を巻くように大群が舞い踊りながら飛んでくる。 ムクドリだが、先年までは我が家近くの竹薮は絶好のねぐらであったらしく、夕方の帰巣時 は 一団が休む前の語らいをするかのように電線にビッシリととまり声を上げ、その賑やかさと言 った ら無かった。それでも電線に止まったムクドリを見ていると、両隣の仲間との間隔は一定以上 開けられているようで、何やらの語らいもまるで喧嘩をしているようにも見えるから、結構鳥達の 間ではいさかいの種も多かったのかも知れない。 柿を写生するのは楽しい、川崎市の柿生の里でのこと、たわわに実った柿
の木が目に付いて
折り良く居合わせた農家のおばさんに畑でのスケッチの許可を貰った時のことだ、暫らくして
画用紙一杯に柿を写し取った頃になって、「見せてくれる?」とおばさんがやってきて雑談・・・ 干し柿も旨い、渋柿がどうしてこんなに甘くなるのだろうか、正月のおせちに
は欠かせない
「なます」には干し柿で甘みをつける、柿は酔いをも醒ますそうだ。 今では我が家には柿の木がなくなってしまった、また近くの竹薮もマンションに替って
しまい
ムクドリの大群も近くには来なくなってしまった、街には次第に緑が少なくなっている。
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