パエリア

 沢山のご来展者で賑わった第10回個展の幕を無事に閉めることが出来た。
我が師に背中を押されるようにして10年前に始めた個展、我が手が描いた作品を画廊の壁に並べて
皆様にご鑑賞頂く。ひと昔はとても早く過ぎ去った。
 まだ直そこにあるように初回の思い出は覚えている。いつも作品を家から画廊へ運んでくれるのは
赤帽さん、馴れ初めは走行中を街角で見かけメモに書きとめた荷台にあった電話番号、そして今に
つながり毎回画廊のある銀座往復のお世話になっている。

 名も無い素人画家の個展へ足を運んでくれたのは知人友人達、しかしその温かい叱咤応援は肥やし となり、小生にとり次回へ向かっての作品向上の誓いの源となった。
その後 個展開催が新聞に紹介されたり、口コミでのお誘いなどで新しいご来展者も数を増し、毎回を
楽しみにして頂いている方々の数も増してきた。

 なかでもこれまでこの個展会場を再会の場として頂いた方も多い。久し振りの再会の感激が実現する 感動的なシーンを目の当たりにして、絵を見て頂くこともさることながら何とも言えぬ嬉しさがこみ上げる、 これが我が個展風景でもある。
 会場での数十年ぶりの思いもかけぬバッタリもある。 この場合は会場を40年振りの再会の場として
お互いに約し地方から遥々ご遠路の上京、そして涙の抱擁・・・ 
それは彼女がまだ社会人として新人 であった頃の同僚OLとの本当に久し振りの再会、そしてこの日を契機に既に第二の人生を歩む年頃と なった彼女達にまた新しい交流の輪が生まれることだろうと思う。

 ビジネス時代後に始めた我が個展 とても幸せな、とてもラッキーが数多いが、常に共にあったのは
我が家族である。 作品の第一批評者はいつもカミさん、結構辛口だけれど的は外さない。娘達は既に家庭人になったが やはり遠慮なく批評してくれる。これまで個展は家族の応援無しには成立してこなかっただろうと思う。

 初回以来恒例だけれど会期のある日会場で手伝ってくれた娘も交えての夕食、今回は銀座裏通りの スペイン料理店だった。若い人達に人気の店なのだろうか、幾組ものグループが店に入れずに去って 行く程だった。
  季節のサラダ、海老のガーリックソテー、海鮮のパエリアが夕食のメニュー、パエリアは出来上がるまでに 時間が掛る、それまでビールで乾杯し後は赤ワインを飲む・・・といっても小生だけだが・・・話題は初日から今回とても多い出逢いのシーンについてであった、そして会を追う毎に増えるご来展者についてであった。
 
 

 ガーリック味の海老、仲良く鉄鍋から取り分けたパエリア、香辛料の味が良くしみたお米、味は申し分
なかったものヽメニューには一言残った、日本人の胃袋をあまりに小さく見積もっていませんかネェ・・・
もちろん値段はそれ相当の銀座並みものだったのだが・・・

 だからと言う訳でもないがデザートは店を替えてイチゴ・ショートケーキと紅茶の楽しめる、いつもの店に した。 こうした食事の後に家族は締め括りに行くお店である。

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