まぐろ
 
     赤身、とろ、大トロは刺身、すしの主役だと思う
酒友の一人に何をさておいてもマグロとビールと云う御仁が居て、長年のお付き合いに幾度かお供させてもらっている・・・ 確かにマグロは美味い!

 小生にとっては学校給食で苦手の代表だったクジラ、当時は南氷洋の捕鯨オリンピックでは何頭のシロナガスクジラを捕獲したか と誇らしげに新聞が報じていたけれど…その後の経緯は・・・!!

  鰻、舌の上でとろけるような<かば焼き>が何時の間にやら絶滅寸前だとか、高価で手が出ないどころかお目に掛れないところまで・・・ほんの僅かしか間がないのか?  

  クロマグロが世界中の海から数を減らし、消費主役の我が國の食卓からだんだん遠のいてゆくとは・・・
市場では一本何千万円でセリ落とす! 景気良く、そして話題性は大きいけれど…それを口にする機会もなく、何か情けない

 近頃では居酒屋やスーパーの売場の刺身の一切れがなんだか小さくなったようで気になっていた
仕入の原価も高くなったので 仕方なくそうなって来たのかな?…と飲み会で話題にしたところ、最近、女性が食べやすいようにと切り方を小振りにするのが流行りなんだ!?…が返事だった

   店の苦し紛れの言い訳だろうと同情したが、歯応えも無い程の大きさと厚みでふた切れ…それも 活きの良さを感じさせる切り口もない…それじゃァ、刺身もどき〜だ!!
もとはと云えば捕り過ぎ、乱獲、飽食と人間の無秩序へのシッペ返しなのだけれど…情けない
クジラ肉は日本の食文化だなどと、今さらの云う言い訳とは違って、かつては文字通り余すところ無く活用して日本の栄養と戦後復興の原動力を作り出してくれたシロナガスクジラには 、何と云って感謝の気持ちを伝えたら良いのだろう

 余談になるが庭に表れる街ネコ、野良猫の類が最近激減している、ふた昔前には黒猫のボスを慕って常時5、6匹はウロウロしていたのが、気が付けば何時の間にやら通過ネコさえ見かけるのが少なくなっている
考えてみるに猫たちに施してきた産児制限の成果なのか? 近くの公園ではネコおじさんの朝食サービスに集まる猫たちの数も少ないようだ、過剰なペット・ブームの被害ネコが少ないだけなら良いけれど、自然に申し訳ない事を人間の勝手でして来たような気もしてくる

  けれど今まで気にせずに口にしていた刺身にそれ程の資源問題が差し迫っているとは、養殖が盛んな鯛や、ハマチや平目、などなど…今更、刺身らしく皿に載ってきて欲しいものだと思う

最近の取材先、瀬戸内海で活きの良い地産小魚の刺身を美味しく味わいながら、伝統の日本文化を愛おしく思う

(2013)

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