柏餅

 和菓子やさんの硝子ケースの上にはこの季節になると「ちまき」や「柏餅」が 山盛りに並べられる。
いずれも特別の場合を除けば(たとえば京都の祇園祭での「ちまき」のような)、 この季節にしかこんなにも店先を飾ることはないだろうが、これに加えて 「菖蒲湯」が揃えば3点セットで 誰にとっても懐かしい子供たちの健やかな 成長を祈る季節の風物詩になるだろう

   どちらかと言うと 特に馴染み深いのは「柏餅」。
甘い小豆アンは柏の葉の表で包んであって、表面から見えるのは葉の裏側。
また、餅は黄色に色付けされている味噌アンは、その逆で表面に見えるのは葉の表側のはずである。

  柏の葉の香りがほのかに餅に移ってほのぼのとしてくる様である。
それは兎も角、これから始る春のゴールデン・ウィークは 日本で最も気候の 良い季節の代表格の一つである。
寒からず、暑からず、思い起こせばワクワクするような明るい陽射し、新緑。
 あの家には男の子が生まれたのだろうか、風車がカタカタなって、大きな 「鯉のぼり」が青空をゆっくりと泳いでいる。なによりも元気に育ってください 未来の為に。

 二人の娘たちも巣立っていったわが家。庭の芝生の中で勢い良く育つ 雑草達には済まないが、摘み取らせてもらうよ。
 それが済んだら、ブラブラとスケッチにでも行こうか、「なァ、母さん」

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