芋まんじゅう 知人の個展を拝見に伺った、大型の画面が 並ぶ見事な展示作から作者のこれまでの作風の推移を窺える楽しく貴重な作品達が並んでいた。それまで小生が遠隔地と思ってきた会場の場所の辺りには全く土地勘が無く、行く道すがらの電車の車窓を流れる景色も目新しかったが、訪ね当てればもう自分の頭の地図に格納されて、既にそれは隔地では無くなっていた。
其処は小江戸と言われる川越市に近く、まだかねてから話題のご当地を訪れたことはなかったこともあり、寄り道をして探訪することにした。駅に着くと観光案内所でMapをもらい、時分どきなので
序でに昼食のおすすめ処を聞いてみた。法被姿のボランティアのおじさんは言下に「うなぎでしょう!」・・・と江戸時代創業の名店を教えてくれた。
ある商店の店先では「甘栗」が並べられて数人の客が買い物の最中だった、この辺りなら土地で採れた栗もあろうかと思い、試食を勧める女主人に「地のものですか?」と聞いてみた…と目の前の客の一人が「アレッ!!」と小生を見て声を上げた、声の主は六、七年前まで時折小生の個展を見に来てくれていた方で、個展会場のあった辺りの銀座勤めを終えたのがご無沙汰の素だったらしい、今日は知人ご夫婦をご案内中だったとか、まったく奇遇だった。
前日に日本橋のデパートの日本画展で観た、この町の老舗菓子店を正面から描いた出展作品が印象的だったので、その店を探し当てカミさんへの土産に幾種類かの菓子を買い求めた、もちろんこの町と云えば「サツマイモ」・・・それを素材にした幾種類かだ。 帰宅後、先ずは芋シューをカミさんと味わって 甘く冷たいシュークリーム、ほのかに残る芋の後味を楽しんだものだ、あとの和菓子は翌日以降のおやつに残せる焼き菓子である。 (2012)
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