餃子 餃子に初めてお目に掛かったのは大学に入ってからだから筆者の餃子環境はずい分と 遅かったのかも知れない。 行動範囲から考えても近くの渋谷にだって有名なラーメン屋さんがワンさとあったのだから きっと行かず・・・それで知らずだったのだと思う。
東京駅近くの中華料理店では逆に大人の指、それも人差し指と中指を合わせたほどの 巨大な焼餃子である、それを先に食べてしまったら後の料理は要らなくなるほど腹が 一杯になってしまう、それでも味では自慢の店のお薦め通りその店に行ったら食べないと、 忘れ物をしてきたような気持ちになってしまう。 その様な我が家の餃子事情だから、今どき餃子で有名な池袋だとか宇都宮などの町へ
味探訪に出かけて見ようか!などという熱意には欠けるのだが、時折は我が家の夕食に
カミさん手つくりの餃子が登場することだってある、餃子にいろいろな味があることぐらい
は判っているつもりなので、カミさんの作るそれを評すれば我が家の味である。 中国の西安は餃子料理が名物だとツアーの案内に「おすすめ」とあった、かつてカミさん
と旅行したのは年末だったから大陸はどれほど寒いかと心配しながら出掛けたのだが、
万里の長城には薄っすらと雪が積もって斜面を登るのにツルツル滑りそうで怖かったり、
天安門広場に吹く強烈な北風と、その中で微動もせず立哨する若い人民軍兵士の姿に
「寒かろうに」と感心したりする位で済んでいた。 厳寒の季節だからツアーの参加者は少なく、北京観光の途中からは我が夫婦だけに
なって現地ガイドさんとドライバーを独占する豪勢な旅行ということになってしまった。 だから「おすすめの餃子」の暖かい店に入ったときは天国だった、 専門店での餃子料理 が並び始めた、つたない餃子知識しか持たないが我々のテーブルに運ばれてくる餃子、 餃子は三日月型であるとばかり思い込んでいたが、形は様々で鳥や花などを形どった 美しく可愛らしい物が並び、次々に味わったものだ。結局は20数種類あったそうだが、水餃子の 鍋はお好きなだけ取って下さいと暖かい湯気を上げており、目にもたいそう楽しみのある 食事に、つい白酒、老酒などが進んでしまった。 我々の案内専門になってから、昨夜は楽しげに中国将棋を伝授してくれたガイドさん達
も、向うのテーブルで水餃子の食事を楽しんでいたようである。
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